Lehner BASIC 4200 感動のパワー

[Previous] ["540FunFly" Index]


future 45be のモードを最初の mode 1 (Hard timing) に戻しました


 前回ギヤ比を 4:1 に変更し aeronauto CAM 11x8 折ペラを装着して future45be のモードを mode 2 (Soft timing 9.6kHz) に設定した電流控えめモードで飛ばしてみました。プロペラサイズが 10x7 から 11x8 と大きくなったためか前よりも反トルクの影響が感じられます。垂直上昇は十分なパワーがありますが、初めてブラシレスモーターを搭載して飛ばしたときのパワフルさは感じられません。中速域での飛行もなんとなくマイルドです。初期で 37A の設定ではこの程度なのでしょうか。

 5 フライトしてみてこのままの設定でも通常の飛行には十分なのですが、 BASIC 4200 が 7 セルでどこまでパワーを引き出せるのか試してみたいと思います。そこで再び future 45be を mode 1 (Hard timing 9.6kHz) に設定しなおしてみました。設定後のベンチテストでは前回と同じギヤ比 72/18(4:1) に aeronaut CAM 11x8 折ペラを装着して 44A 8200rpm でした。モーター入力で 300W といったところです。簡易推力計算式に当てはめてみると 1570g の初期推力になり、推重比で 1.6 を超えます。しかしこの値はほんの瞬間の初期値です。しばらくて回転が安定したときのほうが飛行初期の実際に近いと思われます。安定時の回転数は 7600rpm でした。推力試算で 1350g 、推重比 1.4 というところでしょうか。

 このクラスの推力測定を実際に行うのは大変です。そこで先輩諸氏の貴重なデータをもとに試算したわけですが、どうしても実際の推力を知りたいところです。そこで飛行機の主翼前縁の胴体部分を手で持って、送信機のスロットルを操作して飛行機の自重と推力が釣り合っていると感じられる時の回転数を読み取ってみました。重量 980g (7 セル 2400mAh 搭載時) の機体のホバリング回転数は 6500rpm でした。簡易推力計算式では、静止推力 = 1.13 x 0.8 x 6.52 x 22 = 990g となりました。家の中で手にもって測ったプロペラの位置が床面から 1.4 メートルほどなので、地面効果の影響を考慮する必要があると思われますが、がかなり一致した結果になりました。天井からバネ秤を吊るして飛行機を下向きにして推力測定する方法が一般的のようです。この場合も天井面にプロペラ後流が当たるので、プロペラの位置によっては地面効果と同様の影響があると思われます。 aeronaut CAM 折りペラのプロペラ係数は APC の係数 22 とほぼ同じとみてよさそうです。

 2002 年明けて 2 日、FJZ で mode 1 設定でのテストフライトを行いました。今までに経験したことのない驚くほどパワフルな垂直上昇に感動してしまいました。結構めちゃくちゃな飛ばし方をしてみましたが 7 セル 2000mAh 電池で 5 分 40 秒、 7 セル 2400mAh 電池で 6 分 40 秒の飛行を行い、電池残量は 210mAh と 390mAh でした。どちらもモーターの発熱は軸部分で暖かいと感じとれる程度でした。飛行時間については 02H モーター搭載時とそれほど変わらない感じがします。 モーターカンに温度センサーを貼ってあります が、このセンサーシールの温度は 65゜〜93゜ までの 5 段階表示になっていて、センサー部の温度が表示温度に達するとセンサー上部にある枠内の色が変化します。その後温度が下がっても元に戻らないのでモーターのピーク温度を監視するのに役立ちそうです。実際にはローターの温度とセンサーの貼ってあるモーターケースの温度ではかなりの温度差があると思われるので、そのことも考慮しなければなりません。

 プロペラ、ギヤ比が同じ条件で mode 2 設定時で 37A 、 mode 1 設定時では 44A の初期電流でしたが、このモード設定の違いは future45be V.15a スピコンの内部で進角を変えていると考えたらいいのでしょうか。設定の違いだけでこれほどの差が出たのには驚きました。両者の飛行時間を比較してみるとそれほどの違いがありません。 mode 2 ではマイルドな分スロットルを開け気味で飛ばすことになるので結果的に違いが出ないのではないかと考えています。ならば mode 1 のほうがスティックワークに追随する分快的で私好みです。

 パワーについては十分過ぎるほどで、推力の確保については満足のできる状況に至りました。しかしこの設定がホバリング系の演技に向いているかどうかはわかりません。 3 フライト目にいよいよホバリングの練習を始めました。ところが全く思うようにホバリングしてくれません。人が飛ばしているのを見るのと自分がやってみるのでは大違い。トルクロールは遠い夢といった感じです。練習あるのみでしょうか。やればできるはずだと自分に言い聞かせてこれから一生懸命ホバリングの練習をしたいと思います。

 同サイズのファンフライ機では、 15 エンジンを搭載した大西さんの飛行機がすばらしい飛びを見せてくれています。今回は岸田さんが 15 エンジンファンフライ機を年末に初飛行したということで持ってきました。翼幅 1000mm 翼面積 30dm2 で、岸田さんが飛ばしている電動ファンフライ機とほぼ同じサイズです。全備重量 640g は驚異的な軽さです。電動機の製作における軽量化のノウハウを生かして作っただけにその仕上がりの軽さはすばらしものがあります。その軽さを反映して飛びもとても軽やかでした。翼面荷重 21g/dm2 は電動グライダーのエレクトラと変わらないのです。途中私も操縦させてもらいましたが、エンジンのパワフルさとその軽さとの相乗効果でとても飛ばしやすい飛行機でした。 540 クラスの電動飛行機では真似できません。電動の場合電池だけで 420g〜440g もの重さになってしまうからです。身近なエンジンファンフライ機の飛びをいい刺激として受け止め、少しでも電動機でそのよさを発揮できるように努力していきたいと思います。

 翌日も飛ばしましたが、 1 フライト目に飛行中オートカットが働き、再起動したものの電池残量不足から着陸地点まで誘導できず、 ノーズが折れてしまいました 。future45be はオートカットが働いた後の電池残量が少ないようで、オートカットが働く前に着陸させるなど飛行時に気をつけないといけません。

 ノーズ周辺のフィルムをはがして瞬間接着剤とマイクロバルーンを使って 接合しました 。念のため同体側板の折れた部分をカーボンロービングで補強してフィルムを貼り、 修復が完了 しました。

  ブラシモーター 搭載時 ブラシレスモーター搭載時
翼幅 (Wingspan) 900mm -
翼面積 (Wing area) 27dm2 -
全備重量 (Weight) 916g at 7x1200mAh (7N1200SC)
970g at 7x2000mAh (RC2000)
990g at 7x2400mAh
905g at 7x1200mAh (7N1200SC)
960g at 7x2000mAh (RC2000)
980g at 7x2400mAh
翼面荷重 (Wing loading) 34-37/dm2 34-36/dm2
受信機 (Receiver) Futaba R116FB 72MHz (30g) Futaba R113F Mod. 40MHz (14g)
サーボ (Servo) GWS 9gx4  -
スピコン (ESC) Speed50  future45be V.15a
モーターユニット (Propulsion unit) DYNATECH 02H (72:20)  Lehner BASIC 4200 (72:18)
プロペラ (Propeller) aeronaut 10x7 (Folding) aeronaut CAM 11x8 (Folding)
初期電流 (Current) 34A (RC2000) 37A at mode 2 (RC2000)
44A at mode 1 (RC2000)

[Previous] ["540FunFly" Index]
inserted by FC2 system