150% Hangflygarn

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ハンドグライダーに赤外線送受信機を搭載したい
 オリジナルの Hangflygarn は飛行重量が 0.1g と驚くほど軽量です。翼幅 280mm、翼面積 1.05dm2、翼面荷重 0.1g/dm2 ですから、その滑空も空中に漂うと言った表現がぴったりです。インドアフリーフライトの F1L、F1D で活躍しているスエーデンの Jonas Romblad が設計したものです。

Jonas Romblad 操縦のビデオ
オリジナル図面のダウンロードと製作方法が紹介されている Web
英訳図面 (PDF)
中央側面図
英文説明書(Word)

 以前からエアーサーファーを赤外線送受信機でコントロールできないかと考えていました。垂直尾翼を持たない無尾翼機ということもあってコントロールは難しそうです。また翼面荷重が軽いことも重要だと考えていたのでなかなか製作に踏み切れないでいました。つい最近スエーデンの Lasse Britts から Hangflygarn の完成品を送ってもらい、その軽さに驚きました。これなら軽量な赤外線受信システムを搭載すればリモートコントロールできそうだと直感したのです。

 かねてから翼面荷重が 1g/dm2 以下の飛行機を作りたいと考えていたこともあったので、そのあたりも考慮して早速搭載機材の重量からその翼面積を試算してみました。オリジナルを 1.5 倍に拡大して翼幅を 420mm とし、翼面積 2.36dm2 を確保しました。無尾翼機なので翼面積には水平尾翼分も含まれますが、2g ぐらいで完成できればかなりゆったりとした飛行が期待できそうです。

 搭載機材は、モータユニットとプロペラで約 0.6g、電池約 0.7g、赤外線受信機約 0.2g、マグネットアクチュエータ 2 組約 0.1g の合計約 1.6g と試算しました。

 早速 1.6mm のバルサ板から幅 1.4mm のバルサ棒を切り出してフレームを組み立てました。初めてなのでバルサはあり合わせの板から切り出し、軽量化は特に意識しないで作りました。オリジナルでは 0.5 ミクロンという極薄の OS フィルムが使われていますが、手持ちの 0.9 ミクロンのフィルムを使うことになるので、軽くできないことは明らかです。瞬間接着剤を使って組み立てたフレームの重量は 0.20g になりました。翼中央部の補強材と胴体がまだついていません。

 フィルムを貼るために水溶性の Leichtfix 接着剤を薄めて刷毛で塗ったところ 0.22g になりました。0.9 ミクロンのフィルムを貼った状態で 0.25g です。

 フィルムを貼ったあと、裏返して翼端を持ち上げるためにカミソリの刃で切り込みを入れ、後縁の先端で 9mm 上がるように切り込み部分を接着剤で固定しました。その後前縁下側に補強材を接着してから胴体を接着し、重心位置が前縁から 49mm になるように、胴体先端に 0.3mm の半田を巻き付けて調整しました。グライダーの完成重量が 0.27g、重心調整のための錘が 0.05g で完成重量が 0.32g になりました。翼面積が 2.36dm2 なので、翼面荷重は 0.136g/dm2 ということになります。オリジナルの翼面荷重 0.1g/dm2と比べて重くなりましたが、初めて作ったのでまあこんなもんでしょう。

 いつものことですが、いい加減な作り方なのであっという間にできあがってしまいました。オリジナルとの比べてみるとずいぶん大きいですね。とりあえずの滑空テストはなかなかいい感じです。計算通り 1.6g の搭載機材で済めば翼面荷重は 1g/dm2 ほどになります。

 翼中央部のクローズアップです。150% Hangflygarn では前縁から 49mm の位置が重心位置になります。マジックインキで黒い印を付けました。

 このまま搭載機材に見合う錘をつけて滑空テストを行い、滑空比を見極めて飛行に必要な推力を割り出します。その後コントロール機材の搭載方法を検討します。その時は軽量なバルサでグライダーを作り直す必要があるかもしれません。いずれにしてもわずかなバルサ材で簡単に作ることができるので、作り直しも苦になりません。

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2004/10/21 inserted by FC2 system