本井さんはすでにこの Styrofoam を利用した飛行機を作って飛ばしています。ぶつけても丈夫で壊れにくい材料なので気軽に飛ばす飛行機に向いていそうです。
今回は図面を描かずに作り始めました。とはいえ最低限のことは決めなければなりません。モータは Push-E に搭載したものと同じものを使い U-80 プロペラをダイレクトで回します。モータとプロペラで 4.7g あります。赤外線受信機を搭載しますが、受信機とアクチュエータで 3g ぐらいになるでしょうか。飛行機を 5g ぐらいで作れば 140mAh リチウムポリマ電池をセットして 17g ほどで完成できると考えました。
翼面荷重は 8g 以下に抑えたいので 2.2dm2 ほどの翼面積が必要になります。翼弦を幅 75mm として約 300mm の翼幅が必要になります。少し余裕を持たせて Styrofoam を 320mm 幅に切り、ボール紙でできた円筒に押し当てて適当にキャンバをつけたあと、中央で切断して上反角が 6 度になるようにスチノリで接着しました。主翼らしくなったものの主翼の厚さがとても気になり、後縁に向かって少し薄くなるようにサンドペーパーをかけました。
胴体は以前 A-1 を作るときに何本か巻いた巻胴の残りを利用しました。長さ 280mm で 0.7g です。巻胴にしては少し重いです。尾翼も適当なサイズで切り出しました。こちらは 2.5mm ほどの厚さになるまでサンドペーパーで削りました。
今回は車輪もつけることにしました。手元に 0.3mmx300mm の隣青銅の棒があったので使ってみましたが、細すぎてやわなので 2 本を束ね、 1 部は 3 本を束ねて 300mm 全部を使い何とか実用に耐える強度になりました。車輪は 1mm バルサを 2 枚重ねて 12mm 径にしました。 0.2g ほどでできました。
図面なしでスタートしたので作っているうちに気が変わってしまい、尾翼にマグネットアクチュエータを直づけするつもりでいましたが、リニアアクチュエータを搭載しました。 A-1 に搭載してテストしたものを外しました。動翼のヒンジはクリアテープを細く切って片面に貼り付けました。
適切な重心位置になるように主翼の取付け位置を決めて胴体に接着しました。電池は重心付近のパイロンにセットします。あらかじめ主翼の取り付け迎角を 2 度に設定しました。モータのダウンスラストはほとんどつけていませんが薄手の両面テープで固定し、あとから調整できるようにしました。
今までになく短時間で作ることができました。 140mAh Li-Poly 電池を搭載して全備重量が 16.1g です。主翼の投影面積が 2.36dm2 なるので翼面荷重は 6.8g/dm2 になります。 Indoor Flight Calculator でシミュレーションしてみると 3.3m/sec ほどの飛行速度になりました。これなら狭い体育館でも問題なく飛んでくれそうです。
リニアアクチュエータはピーナッツスケール機への搭載を予定していたのですが、今回はイージーな機体に搭載してしまいました。サイズ的にはピーナッツスケールにほぼ近いのでこの機体へのリニアアクチュエータ搭載も意味があると思います。
調べてみると Styrofoam はダウ加工という会社の商品名で何種類かあるようです。比重は水の 1/30 とありました。発泡ポリスチレン断熱材というものです。試しに瞬間接着剤をつけてみたら溶けてしまいました。スチノリは接着面の両方に薄く塗布し、手にべたつかなくなるまで放置してから貼り合わせるとかなり強力に接着することが出来ました。ナイフで簡単に加工でき、サンドペーパーで楽に削ることができます。熱線を使って均一な厚さにカットするのに少々コツが必要のようですが、安価で入手性も良いことから今後飛行機の材料として使う機会が増えるかもしれません。
翼幅 (Wingspan) | 315mm |
全長 (Length) | 300mm |
翼面積 (Wing area) | 2.36dm2 |
全備重量 (Weight) | 16.1g |
翼面荷重 (Wing loading) | 6.8g/dm2 |
受信機 (Receiver) | IRXA341 with 2 sensors 1.3g |
リニアアクチュエータ(Linear actuator) | PIC control 33 positions automatic center 0.8gx2 |
モータ (Motor) | 8mmx10mm brush type 4g |
プロペラ (Propeller) | UNION U-80 0.7g |
電池 (Battery) | 140mAh Li-Polymer 4g |
飛行機重量 (Air frame) | 4.5g |