Futaba の R113F 受信機で schulze slim シリーズ・スピードコントローラを使うには

[Index]


slim-18be と slim-24be スピードコントローラと R113F 受信機との組み合わせで確実に動作するように受信機を改造
 schulze slim シリーズのスピードコントローラはとても小型軽量なので、 Futaba の 40MHz で使うことのできる一番小型軽量な R113F 受信機と組み合わせればとても軽量化できるはずです。

 slim-18be の電源ケーブルにロッキーコネクターオスをつけて約 14g 、 slim-24be にロッキーコネクタオスをつけて約 19g 、 R113F 受信機が 18g 、この受信機のケースを外すと 12g になります。最軽量の組み合わせを選択した場合、12g + 14g = 26g 。スピードコントローラと受信機で 26g はとても魅力ですよね。

 ところがこの受信機は、地上用として発売されているためか slim シリーズとの相性があまり良くありません。中にはまったく動作しない受信機すらあります。仮に動作したとしても信頼性に不安が残ります。

 車に使用した場合、バッテリの負荷変動が激しく、受信機への供給電圧が大幅に変動する可能性があるので、デコーダ出力にまで影響が及ばないようにデコーダへの供給電圧をかなり低めに設定してあるようです。

 手持ちの R113F F受信機 2 台を調べたところ、デコーダへの供給電圧は 2.7V と 2.5V でした(Futaba R115F ではデコーダへの供給電圧は約 3V で、全く問題なく動作 )。デコーダ供給電圧 2.5V の受信機では slim シリーズのスピードコントローラは全く動作しません。デコーダ供給電圧 2.7V の受信機ではなんとか動作しています。

 従来の schulze のスピードコントローラ及び JETI のスピードコントローラとの組み合わせではまったく問題なく動作していたので、新発売の slim シリーズスピードコントローラにも問題がありそうです。
問題があるなら、上記の組み合わせで使わなければいいわけですが、組み合わせ機材の軽さという点を考えると捨て難いものがあります。そこで、 R113F 受信機と slim シリーズ・スピードコントローラの組み合わせで確実に動作するように受信機を改造してみました。

 飛行機で使用する場合、車ほどの激しい負荷変動はないので、デコーダ IC への供給電圧を少し上げても問題ありません。そこで、確実に動作するように受信機のデコーダ IC への供給電圧を 3V に設定してあげます。

 地上用の受信機を空用の X-tal に取り替えて使用し、受信機も改造するわけですから、このような使い方をメーカは保証してくれません。改造も自己の責任において行います。というと大変大袈裟なことのようですが、たった 1 本の抵抗を追加するだけです。

 簡単に説明するとスピードコントローラに送るスロットル信号をパワーアップしてあげます。これで slim シリーズ・スピードコントローラはマイコン動作のための信号を確実に受け取ることができるようになります。
もちろんこの改造を行って slim シリーズ以外のスピードコントローラを使用しても全く問題ありません。

 受信機のケースを取り外します。デコーダ基板がメイン基板と別になっていて、 7 本のピンでメイン基板と連結されています。画像からわかるように、デコーダ基板の、クリスタル側から 1 番目のピンと 6 番目のピンの間に 220Ωの抵抗をはんだ付けします。予め抵抗と基板のあいだに絶縁のためのテープを貼っておきます。以上で作業は完了です。

 220Ωのチップ抵抗が手に入る方は○印の部分に示すようにメイン基板に直接はんだ付けしてもいいと思います。はんだ付けする場所は、デコーダ基板のピンからメイン基板上の配線をたどればすぐにわかります。手持ちの関係から 1/16W タイプのチップ抵抗を使いましたが、あまりにも小さいのではんだ付けが大変でした。 1/8W か 1/4W タイプの方が楽にはんだ付けできると思います。

 これで R113F 受信機と slim シリーズ・スピードコントローラとの組み合わせでも問題なく動作するようになります。
地上用として発売されている受信機なので、飛行前に必ず距離テストを行って動作を確認してください。

■追加情報
 R113F 受信機に 220Ωの抵抗を追加しても、相変わらずスピードコントローラのスロットルが全く反応しないという情報をいただきました。早速お預かりして調べたところ、抵抗を追加したにもかかわらずデコーダ出力が確実に動作するレベルに達していない事が分かりました。もし 220Ωの抵抗を追加しても全くスロットルが反応しない場合には、さらに並列に 470-560Ωの抵抗を追加してみてください。あるいは 220Ωの抵抗を 150-160Ωの抵抗に変更して見てください。


[Index]
1998/08/09 inserted by FC2 system