ジャイロソーサーギヤユニットの改良

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プロペラ軸をステンレス中空パイプに取り替え、プロペラホルダも工夫
 とても合理的にまとめられているギヤユニットですが、プロペラ軸がアルミ製で、ゴム動力用のプラスチックペラを取りつけた場合、ちょっとぶつけただけでプロペラ軸が曲がってしまいます。そこで、この軸を丈夫なものに交換してみました。

 オリジナルではアルミ軸の一部がローレット加工してあり、この部分にスパーギヤが打ち込んであります。軸は内径 2mm のボールベアリング 2 個によって支えられていて、後部ベアリングの後ろで軸をつぶして抜けないようになっています。
つぶしてある部分をカッターナイフで削り落とせば簡単に軸がはずせます。軸についているスパーギヤはあとで使うので軸から取外しておきます。プロペラホルダは発泡ペラを取りつけるように作られているため、ゴム動力用のプラスチック製プロペラを取りつける場合、ゴムバンドを掛けるのがやっとでした。そこで、別のもので新しく作りました。

 軸に使う材料は、ミニ四駆用の「 2.0mm 中空軽量プロペラシャフト」というすばらしい部品をホビーショップで見つけました。ステンレス製の中空パイプで軽くてとても丈夫です。 8 枚歯ピニオンが 4 個ついていて 100 円です。

 外したスパーギヤをそのまま中空シャフトに通すと空回りしてしまいます。一番重要な軸とスパーギヤの固定には独特な方法を考案しました。
 プロペラ挿入部の長さを確保できるように、ミニ四駆用の 10 枚歯ピニオンギヤを中空シャフトに打ち込み、そのピニオンギヤの谷に沿うように 0.8mm ピアノ線でプロペラホルダを作ります。
 ピニオンギヤに密着するように後側からスパーギヤをあて、スパーギヤにもピニオンの歯の谷に合わせてピアノ線が通る溝を 2 ヶ所切り込みます。コの字型に加工したピアノ線(低部は半円形に加工)をスパーギヤ後ろ側から差し込み、ピニオンギヤの谷を通したあと先端部でピアノ線を傘型に開き、輪ゴムの引っかけ部分を作ります。スパーギヤの溝とピニオンギヤの谷に沿った2本のピアノ線で、スパーギヤが空回りするのを防いでいます。スパーギヤにゆがみがないように調整し、念のためスパーギヤ軸部に瞬間接着剤を 流しておきます。

 中空シャフトはそのままでは長すぎるので、軸受けに挿入してみて、抜け止めのためのピニオン(中空軽量プロペラシャフトについてきたもの)をはめる長さを考慮して切断します。面取りをしてピニオンを圧入すれば出来上がりです。この改造によって見違えるほど滑らかな回転になり、パワーもあがりました。

 モータを含むギヤユニットの重さは 10g 。 134mm プラスチックペラともで 12g と軽量です。プロペラには 2mm の穴を明けておき、前から挿入して輪ゴムで止めるだけなので、簡単にペラを交換することができます。また、輪ゴムが回転方向のショックを吸収してくれるので、ギヤとモータの保護にも役立ちます。


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1999/03/14 inserted by FC2 system