SlowFly 用ギヤユニットの製作

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SlowFly R/C に使うための超軽量ギヤユニットを製作
 このギヤユニットは適切なプロペラと組み合わせることによって 50-70g 程度の推力が得られます。したがって 100g-140g 程度の飛行機の動力に使うことができます。最近欧米では 100g 程度のインドアエアプレーンが流行っていて、風の穏やかな時にはアウトドアでも飛ばしているようです。ぼちぼち日本にもキット、部材も入るようになってきました。しかし、小型軽量な機材ほど高価で、まだまだ手軽に作れる環境ではありません。そこで、身近で安価に調達できて 100g 程度で完成し、ちょっとした広場で手軽に飛ばせる飛行機のためのギヤダウンユニットを作ってみました。用意した材料は以下の通りです。

 ・Keyence ジャイロソーサー用右回転ギヤユニット (2500 円)
 ・2.03mm カーボンロッド若干 (121cm もので 540 円)
 ・モジュール 0.5 の 60 枚歯スパーギヤ (何種類ものギヤがセットになっていて 100 円)
 ・モジュール 0.5 の 8 枚歯ピニオンギヤ (8, 10, 12 枚のピニオンギヤのセットで 30 円)
 ・2mm ベアリング 2 個 Keyence のギヤユニットに組み込まれているものを利用
 ・ベアリングを支持するためのパイプ内径 5mmx 長さ 24mm (シャープペンシルの中の真鍮筒を利用)

 Keyence のギヤユニットは補修部品として単品販売しているので近くのホビーショップで調達できます。カーボンロッドはスポーツカイト用のものを利用します。寸法が半端なのはインチサイズだからです。実際に使用してみた結果、ベアリングは程よく圧入でき、スパーギヤはきつく挿入できるので、とても相性がいいと思います。
どうしてもカーボンロッドが調達できない場合は、 2mm ステンレス中空パイプでも十分実用になります。こちらはミニ四駆用のパーツとして販売されている部品で簡単に手に入ります。 100 円と安価です。

 Keyence ギヤユニットはモジュールが 0.4 です。このモジュールのギヤが手に入ると小さくまとまっていいのですが、モジュール 0.4 のギヤはなかなか見当たりません。そこで、ミニ四駆用として販売されていて簡単に調達できるギヤを使うことにしました。 このギヤはモジュールが 0.5 なのでモータについているピニオンも替えることになります。

 なるべく大きなプロペラを回したいので、出来るだけギヤ比を大きくしたいところですが、ギヤセットに入っているスパーギヤの一番大きいものが 60 枚歯で、ピニオンギヤの一番小さいものが 8 枚歯になり、この組み合わせで 7.5:1 になります。オリジナルでは 5.4:1 だったのでかなりギヤ比が高くなり、大き目のプロペラが使えそうです。

 スパーギヤは穴をあけて軽量化を図りました。ピニオンギヤの穴は 2mm なので、モータの軸にそのまま取りつけられません。 0.8mm リンケージロッドのガイドパイプを適当な長さに切り、モーター軸に圧入してモータを回しながらヤスリで 2mm まで削ります。その後ピニオンギヤを圧入しました。ベアリングホルダはシャープペンシルの中に入っている真鍮製の筒を使いました。これは手元にあったシャープペンシル 2 本を分解してみたところ、どちらも薄手の肉厚で同じ太さの筒が使われていました。 24mm の長さに切断して外形 5mm のベアリングを当ててみましたが筒の内径が若干小さく、そのままでは入りません。 5mm ドリルの軸側を筒の縁にあてて押し付けながらグリグリと回して少しずつ穴を広げました。肉厚が薄いので簡単に広がります。両側からベアリングの厚み程度まで広げてベアリングを圧入しました。タイトル画像でベアリング挿入部の若干の膨らみが確認できます。プロペラホルダーは 10 枚歯のピニオンギヤを圧入し、 0.8mm ピアノ線を加工してピニオンギヤに添わせ、ポリエステル糸で巻いたあと瞬間接着剤を流しました。ギヤのかみ合わせは、バルサブロックの高さを調整して瞬間接着剤で固定しました。完成重量約 10g ととても軽量なギヤダウンユニットができあがりました。つぎはこのギヤユニットと組み合わせるプロペラを作ろうと思っています。


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1999/04/15 inserted by FC2 system