Mini-plane 用プロペラの自作に挑戦

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SlowFly にマッチしたプロペラを作りたいと思い、プロペラの自作に挑戦
 プロペラを作るといっても容易なことではありません。 SlowFly に使われるペラは低速での推力が要求されるので、大口径小ピッチのプロペラのほうが効率がいいと思われます。

 今まで使用した UNION のゴム動力用ペラもダイヤモンド印プロペラもダイヤとピッチがほぼ同ぐらいピッチが大きいので、低速で飛ばす飛行機には向いていないと思われます。しかし、安価で軽量な手軽に入手できるペラがなかなか見つかりません。やむを得ずゴム動力用のプロペラを使っているというのが実状です。

 スローフライ用に作られた WES-Techink のカーボンペラがありますが、とても高価です。このカーボンペラの形状をよくみるとグラウプナーの slim-prop にとてもよく似ています。そこで、この slim-prop ペラを型にして、今度作る予定の SlowFly Mini-plane 3 号機のために製作したギヤダウンユニットに使うプロペラを作ってみることにしました。

 最初からカーボンペラが上手に作れるとは思えないので、安価なガラスクロスで試してみようと思います。型を何で取るかが問題です。一般的には FRP で雌型を作るようですが、とりあえず手元にあった軽量紙粘土で型をとってみました。型取りに使用したペラは slim-prop 8"x4" です。

 軽量紙粘土を厚めのアクリル板の上でプロペラの大きさより一回り大きく伸ばしました。上からプロペラを押し付けてしばらく放置し、ある程度乾燥したところでプロペラを型から取外しました。比較的きれいに型が取れました。1日放置して自然乾燥させましたが、 5% ほど縮んでしまいました。ある程度予想はしていたことなので、このまま型として使えるものかどうか実験を続けます。ポリエステル樹脂(300g)と硬化剤の入った FRP 樹脂セットを調達しましたが、離型剤がありません。そこで家にあったフローリング用のワックスを離型剤として使ってみました。紙粘土で出来た型にワックスを 5 回ほど乾いては塗りを繰り返しました。 6 オンスガラスクロスをプロペラの大きさより一回り大きく切って型の上にのせます。硬化剤を入れた FRP 樹脂を満遍なく塗り、ガラスクロスを型に密着させますが、曲がりのきついところはすぐに浮いてしまいます。そこで、型ごとポリ袋に入れて真空ポンプで中の空気を引いてみました。これでガラスクロスは型に密着してくれました。真空ポンプを止めると、どこからともなく空気が入ってきてしまうのでほぼ乾燥するまで真空ポンプを運転しつづけました。型から外れてくれるかどうか心配でしたが、きれいに外すことが出来ました。外したプロペラは、余分なガラスクロスをはさみで切り落としました。

 6 オンスガラスクロス 1 層ではとても強度的に弱いので、型にのせ直して中心付近を 2 層にしてみました。中心に 2mm の穴を空け、内径 2mm の真鍮ブッシュを裏から当てて、マイクロバルーンと瞬間接着剤で固定しました。さらに中心部だけ裏からもう一層重ねました。これで何とか SlowFly のプロペラとして使えそうな強度になりました。ガラスクロスで作ったプロペラですが、重さ約 2g とかなり軽量にできました。

 早速モータに取り付けて回してみました。プロペラ表面の光沢もなく、決して高性能なプロペラとはいえませんが、軽やかにいい感じで回ってくれます。回転数、推力等を測ってみましたが、無尾翼ミニプレーン 1 号機の推力よりはるかに大きな推力を得ることができました。このペラでも十分飛んでくれそうです。 6 セルでの初期回転数は 4100rpm を超えます。中盤 3700rpm で 66g の推力があります。 Mini-plane のプロペラとしてゴム動力用プロペラよりもマッチしていそうです。テストのつもりで作ったペラですが、このままでも実用になりそうです。とりあえずこのプロペラを 130SZ 搭載の Mini-plane 2 号機に装着し、テストしてみたいと思います。

 紙粘土で型を作ってみたわけですが、多少縮んでも問題なければこの方法もよさそうです。ただし、型は1度しか使うことができません。

 一応 FRP によるプロペラ作りの第一ステップは何とかクリアし、新たに製作したギヤダウンユニットとのマッチングもよさそうなことがわかりました。

 SlowFly Mini-plane 3 号機に搭載する、きちんとしたプロペラを作ってみたいと思います。今回もガラスクロスによるプロペラの製作になります。慣れたらカーボンプロペラの製作にも挑戦したいと思います。

 ということで、こんどは slim-prop 8"x4" プロペラから FRP 樹脂で雌型を作ってみました。あらかじめプロペラに 3 回ほどワックスを塗りました。プロペラより一回り大きくガラスクロスを切り、プロペラの上に載せて FRP 樹脂を塗りました。 3 回繰り返してガラスクロスを 3 層にしました。乾燥後の離型は比較的楽に剥がすことが出来ました。剥がした雌型の内面はつるつるではなく、多少ガラスクロスの目が残っています。この程度なら問題なさそうです。でも、今度は FRP 樹脂の型に FRP 樹脂を貼りつけるので、離型剤の塗布処理をきちんとしておかないと大変なことになりそうです。

 電動モータの出力軸(2mm)に合わせて、中央部の幅が狭くなるようにバルサで加工して、瞬間接着剤で固定しました。メス型の周囲をヤスリで整形し、ガラスクロスのほつれた周囲を瞬間接着剤で補修しました。その後床用ワックスを繰り返し 20 回ほど刷毛で塗りました。途中で数回紙やすりをかけました。果たしてうまくプロペラを作ることができるのでしょうか?


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1999/04/15 inserted by FC2 system