WES-Technik DC5-2.4 モータ

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Indoor-plane で多く使われている WES-Technik の DC-5-2.4 モータを入手
 Keyence のモータとほぼ同じ外形 12mm ほどのモータで、モータだけで 10g の重さがあります。Keyence モータとの大きな違いはコアレスモータです。ブラシは金属片が使われています(Keyence はカーボンブラシ)。モータにはバルサブロックが接着され、プロペラ軸はベアリングが組み立てられていて、こちらもバルサブロックが接着されています。モータにはモジュール 0.5 の 6 枚歯ピニオンがついていて、 50 枚歯のスパーギヤがついてきます。スパーギヤの穴には柔らかいチューブがはめ込まれていて、 2mm のカーボンシャフトに圧入するようになっています。 50 枚歯のスパーギヤと 6 枚歯ピニオンギヤの組み合わせで 8.3:1 のギヤ比になります。付属のスパーギヤをカーボンシャフトに圧入してみましたが、出来が悪いのかどうやってもゆがんで回ります。気持ちが悪いので手持ちのスパーギヤに替えました。 48 枚の歯数になった結果、 8:1 のギヤ比になりました。バルサを削りながらギヤのかみ合わせを調整して、瞬間接着剤で固定しました。 WES から出しているカーボンプロペラの場合は、ペラの軸穴がテーパーになっていて 2mm カーボンシャフトに押し付けて固定する方法が採られています。私は自作のプロペラをゴムバンドでとめる方法を採っているので、ゴムフックを加工して取りつけました。ギヤユニットの完成重量約 12g(タイトル画像左)。 Keyence のユニットが 10g なので 2g 重くなります。ギヤの取りつけ向きの違いはモータの回転方向の違いからきています。

 いままで、このサイズのモータユニットといえば Keyence のモータしか扱ったことがないので DC5-2.4 モータがどの程度の性能かとても気になります。そこでSlowFly Mini-plane 3 号機にこのユニットをつけてベンチテストしてみました。

 3 セルで 23cmx12cm のプロペラをセットして 20 分ほどモータのブレークインを行いました。プロペラは Keyence で使用した 23cmx12cm 自作ペラ。電池も同じ6x120mAh 。スピードコントローラは slim-8e 。ギヤ比は Keyence ユニットが 7.5:1 で WES のユニットが 8:1 と若干違います。どちらのユニットも初期の回転数は 2700rpm と同じでした。大きな違いはそのときの電流が Keyence の 1.7A に対し WES は 0.9A でした。この機体で水平飛行可能な回転数は 2000rpm-2200rpm になります。このときの電流は Keyence で 0.7-0.9A になります。 WES では 0.4-0.5A で済むことになります。 120mAh 電池にとってこの消費電流の差はとても大きな違いがあります。 7C での放電と 4C での放電ではオートカットの働く時期にも大きな差が出ると思われるからです。前者では電池を十分使わないうちにオートカットが働いてしまいます。電池の内部抵抗の高さから、スピードコントローラに供給される電池の端子電圧に大きな差が出る結果です。実際にオートカットが働いた電池を放電せずに充電してみると 60-70mAh の充電量でした。半分ぐらいが使われずに残っていたことになります。
 WES のモータでは消費電流の少なさから、かなり有効に電池容量を使うことができそうです。また、飛行時間も大幅に延ばせそうで楽しみです。

 Keyence のモータに連続して 1.3A 以上の電流を流せません。発熱がひどく、コミュテータにはんだ付けされているコイルのはんだが溶けてしまいます。普段は 1A 以下で飛行しているので問題ありませんが、それでもかなりモータが熱くなります。 WES のモータではフルパワーで 1 分間回し続けてもほんのり暖かさを感じる程度です。やはり効率の差でしょうか。

 WES のモータといえどもいいことばかりではありません。値段では Keyence の 3 倍以上します。また、定格を大きく上まる使い方をするのでちょっとした不注意からモータをだめにしてしまうこともあるようです。 5V 、 2.4W 定格のモータを 10V 、 11W もの入力で使うケースもあるというので寿命も短いようです。定格で使えば 1000 時間程度の寿命があるということですが、過酷な条件で使うインドアエアプレーンでは 5-15 時間でブラシの寿命になるようです。モータ本体を再利用できるように、スペアブラシを部品として購入することができます。
 ブラシを見てわかるとおり、リード線がモータ内部で結線されて外部に出ています。従ってノイズキラーのコンデンサをつけられません。また、リード線もスピードコントローラまでの長さをなるべく短くしたほうがいいとは思うのですが、あとで別の機体に積み替えることを考えると、簡単にリード線をつけ直すわけにいかないので、思いきって短くするわけにもいきません。そこで効果の程はわからないのですが手元にあったフェライトビーズを取りつけてみました。モータの後に黒く見えるのがそうです。


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1999/07/03 inserted by FC2 system