いままで、このサイズのモータユニットといえば Keyence のモータしか扱ったことがないので DC5-2.4 モータがどの程度の性能かとても気になります。そこでSlowFly Mini-plane 3 号機にこのユニットをつけてベンチテストしてみました。
3 セルで 23cmx12cm のプロペラをセットして 20 分ほどモータのブレークインを行いました。プロペラは Keyence で使用した 23cmx12cm 自作ペラ。電池も同じ6x120mAh 。スピードコントローラは slim-8e 。ギヤ比は Keyence ユニットが 7.5:1 で WES のユニットが 8:1 と若干違います。どちらのユニットも初期の回転数は 2700rpm と同じでした。大きな違いはそのときの電流が Keyence の 1.7A に対し WES は 0.9A でした。この機体で水平飛行可能な回転数は 2000rpm-2200rpm になります。このときの電流は Keyence で 0.7-0.9A になります。 WES では 0.4-0.5A で済むことになります。 120mAh 電池にとってこの消費電流の差はとても大きな違いがあります。 7C での放電と 4C での放電ではオートカットの働く時期にも大きな差が出ると思われるからです。前者では電池を十分使わないうちにオートカットが働いてしまいます。電池の内部抵抗の高さから、スピードコントローラに供給される電池の端子電圧に大きな差が出る結果です。実際にオートカットが働いた電池を放電せずに充電してみると 60-70mAh の充電量でした。半分ぐらいが使われずに残っていたことになります。
WES のモータでは消費電流の少なさから、かなり有効に電池容量を使うことができそうです。また、飛行時間も大幅に延ばせそうで楽しみです。
Keyence のモータに連続して 1.3A 以上の電流を流せません。発熱がひどく、コミュテータにはんだ付けされているコイルのはんだが溶けてしまいます。普段は 1A 以下で飛行しているので問題ありませんが、それでもかなりモータが熱くなります。 WES のモータではフルパワーで 1 分間回し続けてもほんのり暖かさを感じる程度です。やはり効率の差でしょうか。
WES のモータといえどもいいことばかりではありません。値段では Keyence の 3 倍以上します。また、定格を大きく上まる使い方をするのでちょっとした不注意からモータをだめにしてしまうこともあるようです。 5V 、 2.4W 定格のモータを 10V 、 11W もの入力で使うケースもあるというので寿命も短いようです。定格で使えば 1000 時間程度の寿命があるということですが、過酷な条件で使うインドアエアプレーンでは 5-15 時間でブラシの寿命になるようです。モータ本体を再利用できるように、スペアブラシを部品として購入することができます。
ブラシを見てわかるとおり、リード線がモータ内部で結線されて外部に出ています。従ってノイズキラーのコンデンサをつけられません。また、リード線もスピードコントローラまでの長さをなるべく短くしたほうがいいとは思うのですが、あとで別の機体に積み替えることを考えると、簡単にリード線をつけ直すわけにいかないので、思いきって短くするわけにもいきません。そこで効果の程はわからないのですが手元にあったフェライトビーズを取りつけてみました。モータの後に黒く見えるのがそうです。