DC6-8.5 コアレスモータユニットの推力測定

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DC6-8.5 モータユニットの静止推力を測定
 DC6-8.5 モータを使ってギヤ比 5.25:1 のユニットを作りました。このモータは定格が 6V 、8.5W と DC5-2.4 と比べてもかなりの出力が期待できそうです。しかし実際に使われているケースも少なく、推力等のデータもほとんど公開されていません。130SZ を搭載した飛行機にこのモータユニットを載せ替えて何度かテストしてみました。 130SZ で組んだユニットの 28g に対して 19g と 9g も軽くなり、効率もよく、飛行も軽快でパワー的には同等の出力がありそうに感じました。具体的なデータが得られればもっと効率的な使い方ができるのではと思い、特定な条件ではありますが推力測定をしてみました。

 ギヤユニットは 8 枚ピニオンと 42 枚のスパーギヤを組み合わせて 5.25:1 にしました。このモータの定格電流は 1.4A ほどですが、電動飛行機の動力として使う場合は一般に定格を超えた使い方をしています。定格の範囲では十分なパワーを得る事が困難なためです。通常はかなり過酷な条件で使うためブラシの寿命が短くなってしまいます。今までの経験から DC5-2.4 モータユニットでは 1A を超える電流でドライブすると確実にブラシの寿命が短くなります。推力にして 90g ぐいらいまでが限度でしょうか。より大きな推力を得るにはモータを少し大きなものにする事になるわけです。そこで着目したのが DC-6.85 モータです。 DC5-2.4 の定格電流は 0.48A ですが、私の作った飛行機では平均 0.6-0.7A 程度で飛行しています。定格電流の 1.5 倍ほどの電流で使用していることになります。この計算を DC6-8.5 モータに当てはめてみると 2A ほどの電流で駆動しても大丈夫では?と思うのです。この電流値から逆算してギヤ比を決めたわけですが、結果から 6 セルでドライブするならもう少しギヤ比を小さくしてもいいのでは?と感じています。 パワー重視なら 7 セルでのドライブもいいかもしれません。

 プロペラは DC5-2.4 で使っている 9x5 より一回り大きい APC の SlowFly 用 10x4.7 プロペラを調達しました。これは 280 クラスのモータ用に使われているものです。軸穴が大きかったので 2mm の軸に合うように改造しました。プロペラの重さは 11g あります。一通りの推力測定を行った後 "FunFan2" に DC6-8.5 ユニットと APC のペラを載せて飛行テストを行ってみました。このときに使用した電池は 2x780mAh Tadiran (6V) での駆動です。推力は大きくなったのですが飛行重量も少し重くなりました。通常飛行、ロール、背面飛行、ループ等いろいろ試して見ましたが、ループが思うようにできません。ループの終わりが左に大きくずれてしまいます。重いプロペラの回転時の慣性モーメントの影響が出ているようです。それ以外の飛行では確実に推力アップしているのがわかります。過激に振り回さなければ問題ありません。

 インドアで使うには 11g のプロペラは重いので、このプロペラから型を取り、カーボンクロスと FRP でプロペラを作りました。0.15mm のカーボンクロス 3 層重ねで作ってみた結果 4.5g でできました。モータユニット 19g との組み合わせで 23.5g になります。

 今回はこのカーボンプロペラと 6x120mAh 電池の組み合わせで推力測定したデータを載せてみました。APC のプロペラでもほぼ同様の結果が得られました。

 2x780mAh Tadiran 電池でもテストしてみました。この場合電の最大電流値は 1.7A になり、そのときの端子電圧は 5.4V になります。電池重量は前者が 37g 、後者が 38g とほぼ同じです。単 3 乾電池と同じ大きさで容量も多く、単セルで 3V あるので 2 セルで使えます。長時間のフライトには後者の電池がいいと思いますが現時点では国内で調達できません。この電池は連続で 2A の電流を取り出す事ができます。

 DC6-8.5 モータに使われているブラシ片は DC5-2.4 に使われているものと比較してかなり幅の広いものが使われています。

 いろいろな条件でテストする事により DC6-8.5 モータの適正な使い方がわかってくると思うのですが、データを取るにもかなりの準備と時間がかかります。とりあえず特定条件でのテスト結果ですが、多少なりとも参考になればと掲載させていただきました。


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2000/01/20 inserted by FC2 system