携帯電話用リチウムイオン電池をインドアエアプレーンの電源に

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携帯電話に使われているリチウムイオン電池はエネルギ密度が高く、軽量なのでインドアエアプレーンの電源向き
 最近インドアエアプレーンを楽しむ仲間内では、携帯電話に使われているリチウムイオン電池を動力に使う人が増えてきました。

 少し前までは Tadiran リチウムメタル電池を使う人が多かったのですが、使い方によってはしばらく充放電を続けると内部抵抗が徐々に高くなってきて思うような性能を発揮してくれなくなってしまいます。期待していたほどの大電流を取り出せないことに原因があったようです。1A 程度の連続電流を取り出せると思っていたのです。ところが実際にはその 1/4 程度の電流で使用するのが適切だったようです。ニカド電池のように無理はきかないのです。私の使用経験では 30 回程度の充放電で使えなくなってしまいました。

 そこで一躍スターの座に踊り出たのが携帯電話に使われているリチウムイオン電池ということになったのです。並外れた使用実績があり、現在最先端の技術で製造されているわけですからそのエネルギー密度もすばらしいのです。また急速充電ができます。だからといって手放しで喜べるわけではなく、電池単体での価格も高価で取り扱いにはそれなりの注意が必要になってきます。

 携帯電話の電池はそのほとんどが薄い長方形をしています。電圧は 3.6V 程度と単セルでニッカド電池 3 セル分の電圧があります。1 セルか 2 セルの電池で飛んでくれるのです。しかも高容量なので驚くほど長時間の飛行ができます。

 容量は 320mAh から 600mAh 程度までのものが一般的で、重量は 11g から 19g 程度です。 特に少し前に生産された PHS に使われている電池に軽量なものがあります。放電特性もかなりよく、短時間なら 4C は流せるようです。急速充電ができるのも魅力です。

 最近ではリチウムイオン電池も充電できる充電器が出回っています。残念ながら私の使っている schulze の充電器では充電できません。仕方がないので私は携帯電話そのものを使って充電しています。ごく最近、充電器の ROM を交換すればリチウムイオン電池の充電ができるという情報を入手したので早速最新の ROM を注文しました。

 一般に携帯電話用の電池パックには充電制御回路が一緒に組み込まれています。飛行機の電源として使うにはこの充電制御回路をはずして携帯電話に半田付けして使います。充電するときにこの制御回路を通して充電するようにします。充電器と電池はこのように JST コネクタを介して充電できるようにしました。 2 セルを直列にして使うときはこのような Y
ハーネス使っています。

 私は自分自身で1年半使用してきた携帯電話が具合悪くなり、新しい電話機に取り替えたときの電池を使っています。幸い 2 個の電池を交互に使っていたので 2 セル分確保できました。 560mAh のもので 2 セルをパックして 38g になりました。 1 年半も使った電池で Mini-plane3 が 33 分も飛びつづけたのには驚きました。山尾さんの Flutterby に至っては 420mAh(12g) と最も軽量なリチウムイオン電池 1 セルにもかかわらず 20 分以上飛ばしてもまだ半分以上の容量が残っているということですから驚きです。

 携帯電話によっては無料で加入できる機種もあるほど豊富に出回っていますが、電池だけを購入するとなると 5-8 千円はしてしまいます。そこで少しでも安く手に入れるのにジャンク電池を使う手があります。秋葉原で大量に出回ることがあるのでそれを手に入れるわけです。中には全くの新品電池も多く出回ることがあります。値段は 100 円から 500 円程度なので申し分ない値段です。ということで私も新品と思われる 100 円の電池(タイトル画像左側の2つ)と 400 円(タイトル画像右側の2つ)を手に入れました。その後インターネット通販でも 1 個 400-500 円ほどで販売されているのを目にしました。携帯電話普及のおかげでインドアエアプレーンの動力源も変わりつつあります。ちょっとオーバーかな?電池コストも劇的に安くなり、性能も抜群ですからうれしい限りです。

 早速調達した電池を分解してみました。この電池もそばに制御回路がついています。電池一つ一つにこのような制御回路が組み込まれているのには理由があるはずです。電池の異常事態等を監視していると思われます。この制御回路と電池本体別々にして使うわけですから自分自身の責任のもとで使うことになります。この 3.6V 550mAh の電池は 19g あります。外装ケースがプラス電極になっています。

 実際には複数の電池を用意することになりますが、充電器は今のところ携帯電話を使う関係で少し工夫しました。2 セル直列にして使う場合は 2 セルを同時に充電できないので 1 セルずつ充電しますが、電池についている制御回路は取り外して使うため、充電電池のみを差し込んで充電できるように改造します。はじめはこの制御回路をはずしてしまって大丈夫なのか大変気になりましたが、市販のリチウムイオン電池が充電できる充電器も電池のみで充電できる方式なので、問題ないと勝手な解釈をして使っているわけです。

 単セルの公称電圧が 3.6V あるので、通常 1 セルか 2 セル直列で使うことになります。 3 セルでも 10.8V なので使えそうですが、充電後のセル電圧が 4.2V と高いため、初期の 12.6V に対応できるスピードコントローラが必要です。

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2001/03/23 inserted by FC2 system