Futaba R113F 受信機の 8 チャンネル化

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小型軽量な 3 チャンネル受信機を 8 チャンネルまで使えるように改造
 以下の改造についてはあくまでも自己の責任において行います。はんだ付けに自信のある人なら比較的簡単に 8 チャンネル化が可能です。

 エルロンに左右別々のサーボを搭載し、フラッペロンの設定を使う場合には 6 チャンネル受信機が必要になります。また、電動ヘリではジャイロが 5 チャンネル、ピッチが 6 チャンネルに割り当てられています。グライダーの場合は 8 チャンネルをフルに使う場合もあるようです。 Futaba では 6 チャンネル受信機に R116FB があります。 8 チャンネルではデュアルコンバージョンのものしかありません。どちらも大きくて重く、 8 チャンネルの受信機では価格が高すぎます。小型電動機に搭載する受信機はできるだけ軽くて小さく、価格も安いいほうがいい訳です。そこで目をつけたのが Futaba の R113F 受信機です。本来地上用の FM 受信機で、主に車に使われていますが、振動・耐ノイズの点で抜群の信頼性があります。 40MHz 帯の受信機なら電動飛行機にも十分使え、仲間でも何人かが使っています。アンテナは 49cm と短いのですが到達距離においても通常の飛行では全く問題ありません。

 R-113F 受信機には最初から 8 チャンネル用のデコーダー IC が搭載されています。 4 チャンネル 2 組のデコーダがひとつのパッケージに収められていて、片方は必要ないので使わないようになっているのです。そこで使ってない 4 チャンネル分を使えるようにすれば、立派に 8 チャンネル受信機に生まれ変わってしまうのです。

 受信機内部を眺めているうちに、デコーダ IC 周辺部のわずかな改造で 8 チャンネル化できることがわかりました。今回私が使いたいと思ったフラッペロン設定では 1 〜 4 チャンネルのほかに 6 チャンネル目が必要です。このように必要なチャンネルだけを取り出す増設方法ならサーボコネクタも大げさにならずに済みます。

 今回は電動ヘリに搭載することも考慮し、 5 チャンネル目と 6 チャンネル目を使えるようにしてみました。もともと 3 チャンネル受信機なので 4 チャンネル目を使うための改造は、以前「 Futaba の R113F 受信機を 4 チャンネルに改造」に記載した方法で済ませておきます。

 では改造の方法を以下順を追って説明します。

まずケースを外します。
デコーダ IC BU4015BF の赤い矢印 3 ヶ所の IC のピンを半田ごてで基板のパターンから浮かします。細いピンセットを使って注意深く浮かしてください。
5 チャンネルから 8 チャンネルまでを使えるようにするために、画像に示す白線部分 3 ヶ所の配線をジャンパー線で追加します。このとき赤い矢印 3 ヶ所は基板から浮かした IC のピンに半田づけします。
「 Futaba の R113F 受信機を 4 チャンネルに改造」に記載した改造もこの時点で済ませておきます。画像のジャンパ配線はまだ途中ですが、下のメイン基板に向かって配線されているジャンパー線が 4 チャンネルに改造した配線です。画像で+−表示した部分に増設サーボコネクタの電源配線を半田付けします。−側の部分は半田づけできるように基板の保護膜をカッター等で剥がしておきます。
4 チャンネル目のサーボは受信機の B/C コネクタを利用します。半田づけする前にあらかじめ信号ピンのパターンをカットしておく必要があります(「 Futaba の R113F 受信機を 4 チャンネルに改造」を参照)。
チャンネルピンの配置を示します。必要なチャンネルだけ IC のピンから配線を引き出せばいいわけです。
サーボを接続するためのコネクタは Futaba のエクステンションコードを必要な増設チャンネル数だけ用意してもいいと思います。今回は手元に GWS 受信機をインドアプレーン用に改造したときに外したコネクタがあったのでそれを使ってみました。
今回は 6 チャンネルに改造するので 2 チャンネル分のコネクタを用意すればいいことになります。
ピンがむき出しではまずいのでシュリンクチューブで保護してみました。
2 チャンネル分のコネクタケーブルから出ている 4 本の配線を基板に半田づけして完成です。電源+、電源−、 5 チャンネル出力、 6 チャンネル出力の 4 本です。フル 8 チャンネルにする場合は 7 チャンネル出力と 8 チャンネル出力の 2 本を追加して 6 本の配線になります。電源は共通なのでコネクタケーブル側で渡り配線をします。
受信機をケースに収めないで使う場合にはシュリンクチューブで保護します。 X-tal を含んで 13.4g と軽量な 6 チャンネル受信機になりました。
シュリンクした状態でもご覧のとおりケースに収めることができます。この場合はケースの一部をコネクタケーブルを出すためにカットします。重量は 19.7g になりました。
 

 今回は 6 チャンネル受信機に改造してみましたが、同じ方法で 8 チャンネル受信機への改造も簡単にできます。

 改造した受信機は距離テストのために、 ビーグル・モス に搭載してみました。姿勢がどうにかわかる高度まで上空に上げてみましたが全く問題ありませんでした。更に念のため送信機のアンテナを半分に縮めてみました。受信機のアンテナが短いにもかかわらず全く問題なく操縦することができました。素晴らしい受信機です。早速 "540FunFly" に搭載して軽量化する予定です。


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