40MHz 、 72MHz(low) 、 72MHz(Hi) の周波数帯を使い分ける場合にそれぞれの高周波モジュールが必要になります。 PCM1024Z 送信機に価格の安い TP モジュールが使えればありがたいことです。 PCM1024Z 送信機に FF8 送信機等に使われている TP モジュールを使っても問題なく使えることは一部で知られています。私も今まで TP-40 モジュールと TP-72 モジュールを PCM1024Z 送信機にセットして、相当回数飛行してきましたが全く問題ありませんでした。念のため Futaba に電話をしてこのことを確認してみましたが保証はできないということでした。では一体何がどのように違うのでしょう。
大昔に作った 超簡易電界強度計 があったので、 PCM1024Z 送信機に両者の高周波モジュールを取り付けたときの違いを調べてみました。 電界強度計の構成 は 1 ターンコイルとエアバリコンとダイオードそれに 100μA のメータだけというシンプルなものです。電源は不要で空中を飛んでくる電波を検波してメーターを振らせます。優れものでしょ(笑)。 40 年も前に作ったものです。
使用した高周波モジュールは TK-40 と TP-40 で両者とも 40.770MHz の X-tal をつけています。送信機のアンテナをいっぱいに伸ばし、送信機と電解強度計の間隔はメータ振れを考慮して 1.85m に固定しました。
送信機をテーブルの上に置き、アンテナをいっぱいに伸ばし、実際に飛ばすときと同じように 1024Z 送信機に両手を添えた状態と、全く手を触れない、つまりボディエフェクトの影響を受けない状態とでそれぞれのモジュールにおける電界強度の違いを調べてみました。
PCM1024Z
専用 TK-40
モジュールを装着 ボディエフェクトを受けない状態 |
PCM1024Z
専用 TK-40
モジュールを装着 両手で送信機を持った状態 |
FF8 用 TP-40
モジュールを装着 |
FF8 用 TP-40
モジュールを装着 |
電界強度の強さを見比べてみると、 PCM1024Z 専用の TK-40 モジュールをセットしたときは、ボディエフェクトの影響が少ないのがわかります。 PCM1024Z 送信機に FF8 用の TP-40 モジュールをセットしたときは、テーブルの上に置いただけの時と両手で持った場合とでは電界強度に大きな差が見られます。置いただけの状態では専用の高周波モジュールをセットした場合より送信出力が少ないことが確認できます。しかし実際の飛行を想定して送信機を両手で持ったときは、専用の高周波モジュールをセットしたときより TP-40 モジュールをセットしたときのほうが送信出力が大きいことがわかります。
確かに違いがありました。では一体中身はどう違うの?ということでモジュールを分解してみました。
TP-40 (左) と 1024Z 用 TK-40 高周波モジュール | |
裏ブタを外してみましたが違いは確認できません | |
モジュールをケースから取り出してみましたが大きな違いはないようです | |
右側の PCM1024Z 専用の TK-40 モジュールにはメイン基板にサブ基板がついています | |
この角度から見るとサブ基板に部品が装着されているのが見えます | |
サブ基板にフラットパッケージ IC も見えます。 |
PCM1024Z 送信機はケース全体に金属メッキが施されています。 FF8 等他の送信機は前面のみ金属メッキケースを採用しています。それぞれ送信機を両手で支えて使うためのボディエフェクトを考慮した高周波モジュール設計になっているわけです。
結果的に PCM1024Z 送信機には TP-40 モジュールをセットして使ったほうが送信機の出力が大きいということがわかりました。バンド切り替えのために追加モジュールを調達するなら価格面から TP 品番の選択も賢いと思います。