自動バッテリ切り替え装置

[Index]


水野さんに作ってもらった自動バッテリ切り替え装置をタイマ変更できるように改造
 飛行機仲間の水野さんに作ってもらった自動バッテリ切り替え装置器は、 400 クラスに使う 500AR と 600AE ニッカドバッテリを充電するために作られたもので、PIC マイコンにプログラムされた 30 分のタイマで次々と並べてセットしたバッテリを切り替えながら充電する装置です。

 飛行現場で充電が終わったばかりのバッテリを飛行機にセットして飛ばすのが一番いいわけですが、重い親バッテリを現場に搬入しなければならないなど結構重労働です。そこで飛行場に出かける前夜、使う分のバッテリセットしておいて自動的に充電してしまおうと考えられたのがこの自動バッテリ切り替え器です。

 水野さんは素晴らしいアイデアの持ち主で、PIC マイコンを使ってすっきりとしかも丁寧にまとめ上げています。せっかく作ってもらったのですが、このところ 540 クラスの飛行機ばかり飛ばしているので使う機会がありません。 540 クラスに使う電池は 2000mAh と 2400mAh のニッカドバッテリを使っていますが、充電に 35 分近くもかかってしまうからです。

 30 分にタイマが固定されているため残念ながら 2000mAh と 2400mAh のバッテリが充電できないのです。せめてタイマが 40 分だったら使えるのに...。 2400mAh のバッテリでも充電できる妙案を考えついたのですが、今後のこともあるので PIC マイコンを自ら勉強してプログラムを組むことにしました。「PIC Learnig」のコーナーもこうして設けられたのです。

 いざ PIC マイコンの勉強を始めてみると、統合開発環境は無償で提供されているし、PIC マイコンに書き込むライターはキットで安価なものが調達でき、手持ちの PC に接続してすぐにテストができ、飛行機のシミュレータと同じように PC 上でマイコン動作のシミュレーションができてしまいます。

 何事もそうですが、プログラムの世界でもプログラミングのセンスが大きく影響してくると思います。しかしそこは PIC プログラミングの初心者。とりあえず決めた仕様どおりに動いてくれるだけで感動を味わうことができます。

 どうせなら 10 分単位のタイマの組み合わせで 1 時間ぐらいまでのタイマがセットできれば格段に使い勝手がよくなるのではないかと考えました。うまい具合に手元に 3 ビットのサムホイールスイッチ(SCSI の ID 設定スイッチ)がありました。表示は 0 から 7 までなので表示数値を 10 倍すれば 10 分刻みで 70 分までのタイマが実現できるはずです。

 試行錯誤の結果、水野さんが使っている PIC16F84A と同じ PIC マイコンを使って上記仕様を取り入れたプログラムができました(興味がある方は「PIC Leraning」のコーナーをご覧ください)。

 早速自動バッテリー切り替え装置にセットし、サムホイールスイッチを取り付けて動作確認をしてみました。ちゃんと動きます。一度に 6 組のバッテリがセットできます。こちらが改造した自動バッテリ切り替え装置です。  バッテリに接続するディーンズコネクタの手持ちがとりあえず 3 個しかなかったので、サムホイールスイッチを 「4」 の 40 分タイマにセットして、 7 セル 2400mAh のニッカドバッテリを 3 組繋いで充電テストを行ってみました。充電器は schulze 430d です。 40 分のタイマのあとに 30 秒のインターバルを組み込んであるので全部の充電が完了するのは 2 時間ちょっとかかります。充電中の様子

 ほかの作業をしながら見守っていましたが、 7 セル 2400mAh のニッカドバッテリの充電に 33 分ほどかかっていました。 40 分のタイマセットは妥当なところでしょう。 30 秒のインターバルの間に充電器側はきちんと次の充電のためのスタンバイができていました。 2 時間ほどで 3 組のバッテリを無事充電することができました。これでまたまた楽ができてしまいます。水野さんに感謝!

   早速休日の前に自動バッテリー切替え装置で快適に 2400mAh のニッカドバッテリを充電しました。ところが朝起きてみると雨で飛ばしに行けません。仕方なくバッテリを放電することにしました。 7 セル 2400mAh を schulze 430d で放電すると、初期放電電流が 1.8A ほどなので放電完了まで 85 分ほどかかります。どうせなら放電も自動バッテリ切り替え装置に任せたいところです。

 そこで使っていないサムホイールスイッチの「0」に、 2400mAh のバッテリを放電するための 100 分タイマを組み込んでみました。

 充放電ともに、たとえば 500AR と 2400mAh と 2000mAh といった異種類のバッテリの組み合わせも可能で、その場合はもっとも時間のかかるバッテリにタイマをセットします。これでバッテリの充放電は超楽ちんになりました。

 PIC16F84A PIC マイコンは何度もプログラムの書き直しができるので、仕様変更がいとも簡単にできてしまいます。今回は水野さんの仕様に合わせて接続できるバッテリの数を 6 組としましたが、現在のスイッチ設定方法で使うと、 8 組までのバッテリ接続機能を持たせることができます。


[Index]
2002/05/06 inserted by FC2 system