A-1 1 号機、 2 号機に赤外線受信機を搭載

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潮風アリーナで 2 機の飛行機に赤外線受信機を搭載してテストフライトを行いました
 その後 A-1 2 号機に赤外線受信機を搭載して、藤沢市六会市民センター体育館でのテストは済んでいます。普段使い慣れた送信機に赤外線コントロールユニットを取り付けての操縦でしたが、 RF 受信機を搭載していたときと全く変らない操縦感覚で飛ばすことができました。

 潮風アリーナは周囲がガラス張りで天井も高く、 45mx35m ととても広い体育館です。対角距離で 57m もあります。外は強風でしたが体育館の中は穏やかそのもの。昼間の飛行会なので陽も差してとても明るい状況でした。ところが、赤外線を搭載した飛行機は陽の当たる場所に入ったとたんに挙動が乱れることがわかり、最初は陽の当たらない場所に移動して飛ばしていましたが、その後陽の当たる側のブラインドを降ろしてテストフライトを行いました。画像は大野さんに撮影していただいたもので A-1 2 号機を飛ばしているところです。こちらの画像を見ると送信機に装着した赤外線コントロールユニットで操縦しているのがよくわかります。

 A-1 1 号機には今回新しく作った 0.76g の赤外線受信機を搭載してテストフライトを行いました。次に作る超軽量飛行機に搭載する目的で作った受信機で、軽さを極限まで追及して部品点数をぎりぎりまで削減した受信機です。赤外線受光素子を一つしか備えていない受信機ですが、潮風アリーナの広い空間でもきちんとコントロールすることができました。タイトル画像はそのときの飛行を栗田さんに撮影していただいたものです。

 A-1 2 号機は今までより更に軽くしました。新たに調達した 45mAh のリチウムポリマ電池を搭載しました。容量が少ないのでモータの消費電流を考慮し、手持ちの中で最も消費電流の少ないページャモータに載せ替えました。モータ単体で1.8g と少々重いのですが、DigiQ のモータの 450mA の消費電流に比べて 190mA と非常に少ない電流になります。水平飛行時では 110mA ほどの電流なので、電池にとってそれほど無理な使い方ではなくなります。モータで 1g 重くなりますが、電池で 2g 軽くなるので差引 1g は軽くできます。

 今回 2 号機に搭載したモータは、直径 6mm 、長さ 12mm 、コイル抵抗 10 オーム、重量 1.8g のページャモータと DiDEL から調達した 0.3 モジュールのギヤを組み合わせ、内径 1mm のベアリングを使った 81:9 (9:1) のギヤユニットで、新たに自作した 6x3 バルサプロペラ 0.5g を装着して初期推力 9.5g (190mA, 0.7W, 1930rpm) 、中盤で 8g を超える推力を得ることができました。モータユニットはコネクタケーブルを含んで 2.5g になります。

 今回新たに製作したプロペラは、モータの特性に合わせて 6x3 のヘリカルピッチプロペラとしました。軽いことが重要なので、手持ちの中でも特に軽い比重 0.1 のバルサブロックから削りだしました。早速プロペラの回転数と静止推力の関係を測ってみました。別のユニットにこのプロペラをセットしたとき、その回転数から静止推力が判るので一度調べておくと便利です。

 新たなモータユニットと 45mAh Li-Polymer 電池と、赤外線受信機を組み合わせたところ、全備重量が 11.7g まで軽くなりました。ここまで軽くなると、飛行機の作りはもっと華奢でもよさそうです。しかしそれには飛行機の製作技術をもっと磨かなければなりません。

 二つの赤外線受光ユニットを備えた受信機はとても安定した受信ができ、超低翼面荷重の飛行を十分に味わうことができました。広い体育館では壁面等からの反射によるコントロールが期待できないこともわかりましたが、送信機の向きさえ気をつけていれば潮風アリーナの広い空間でも全く問題ないことが確認できました。 2.6g/dm2 という超低翼面荷重の飛行速度はおよそ 2m/sec 、 7.2km/h と非常に遅いので、飛んでいる飛行機と一緒に歩くことも可能です。

 受信機の軽量化に伴い、CO2 Motor を搭載したインドアプレーンも夢ではなくなってきました。現在のレベルを見る限り電動モーターによる飛行のほうがはるかに優れていますが、 CO2 Motor の独特なサウンドを奏でながら飛ばすのも趣があると思います。是非近いうちに CO2 Motor を搭載した飛行機にもチャレンジしたいと思っています。

 現在の 2 機のスペックは以下のとおりです。

Model A-1 1 号機 A-1 2 号機
翼幅 Wingspan 473mm
全長 Length 495mm
翼面積 Wing area 4.47dm2
全備重量 Weight 18.0g 11.7g
翼面荷重 Wing loading 4g/dm2 2.6g/dm2
受信機
Receiver
IRX01-2 (IR combo receiver)
(include magnet actuator driver, ESC and DC/DC converter)
0.76g
IRX02 (IR combo receiver)
(include magnet actuator driver, ESC and DC/DC converter)
1.5g
アクチュエータコイル
Actuator coil
Hand made 170ohms
0.45g
Hand made 120ohms
0.3g
アクチュエータマグネット
Actuator magnet
Neodymium 5mm(D) x 3mm(H)
0.45g
Neodymium 4mm(D) x 3mm(H)
0.3g
モータユニット
Propulsion unit
Pager 8mm (9:1)
3.8g
Pager 6mm 10ohm (9:1)
2.5g
最大静止推力
Max thrust
13g 9.5g (at 0.19A)
プロペラ
Propeller (Hand made)
Balsa prop. 8x4
0.6g
Balsa prop. 6x3
0.5g
電池 Battery 140mAh Li-Polymer 4g 45mAh Li-Polymer 2g
飛行機重量
Air frame
(Wing 4.3g, Fuselage 2.5g, tail 0.8g + 0.3g)
7.9g
(Wing 2.6g, Fuselage 1.3g, tail 0.5g + 0.2g)
4.6g


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2003/01/10 inserted by FC2 system