A-1 2 号機ついに 9g を切る

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今まで以上に軽量なモータを使ってユニットを組みなおしました
 訳あって使えなくなくなってしまった最新の携帯電話 504i から取り出したモータ。さすがに最新の搭載ページャモーターは小さくて軽くなっていました。外径 4mm でモータカンの長さは 8mm ほどしかありません。錘をグラインダで削り落としたらなんと 0.4g のモータでした。抵抗値は 12 オーム強と願ってもない値です。

 超軽量インドアプレーンの動力に使えるのではないかと、早速ユニットを作ってみました。はじめに作ったのは 9:1 。無理とは思いつつも 1 段減速で試してみました。しかし 3g の推力も取り出すことができませんでした。そこで念のために無負荷回転数を調べてみると、リチウムポリマ電池 1 セルでなんと 8 万回転も回っていました。これでは 9:1 程度の減速比ではどうにもなりません。 4 万回転付近で回さないと効率の点で使い物になりません。

 そこで今まで搭載していた 25:1 のユニットから 12 枚ピニオンのついたモータを外して、 9 枚ピニオンをセットした 0.4g のモータを取り付けてみました。ギヤ比は 33.3:1 になります。モータを仮に 4 万回転で回したとするとプロペラ軸は 1200rpm となります。これなら今まで使っていた 6x3.6 のプロペラがそのまま使えそうです。早速 45mAh リチウムポリマ電池で回してみました。初期回転数 1310rpm 、5g (170mA) の推力が得られました。ギヤユニットは 1.34g と軽量です。

 このユニットに載せかえることで A-1 2 号機は 8.8g になりました。今までのユニットに比べて推力で 2 割ほど少なくなりますが、十分に飛んでくれるはずです。

 ついでに、赤外線システムで同時飛行ができるかをためすために、今までの 38KHz センサに替え、 56.9KHz のセンサを使用した受信機を作って搭載してみました。送信機側の PIC を差し替えることにより、変調周波数の変更ができます。今回の受信機は受光素子のレンズ部分を削ってフラットに仕上げてみました。レンズによる指向性の鋭さ(半値角で約37度)を緩和するのが目的です。

 バレーコート 3 面の広さがある横須賀市南体育館飛行を行いました。受光面フラットにしセンサの指向性緩和は効果絶大で、広い体育館でも問題なくコントロールすることができました。軽くなった飛行機は今まで以上にゆったりと飛ぶようになりました。ムービーを第 49 回 横須賀 Indoor-plane 飛行会でご覧いただくことができます。 45mAh Li-Poly 電池で 9 分を超える飛行が可能でした。

 山尾さんに協力していただいた38KHz センサと 56.9KHz センサによる赤外線システムでの同時飛行も問題ないことが確認できました。これで赤外線システムも普及が加速しそうです。

Model A-1 2 号機
翼幅 Wingspan 473mm
全長 Length 495mm
翼面積 Wing area 4.47dm2
全備重量 Weight 8.8g
翼面荷重 Wing loading 1.97g/dm2
受信機
Receiver
IRXA301 (IR combo receiver)
(include two magnet actuator drivers, ESC and DC/DC converter) 0.62g
アクチェータコイル
Actuator coil
Hand made 0.025mm 450t 200ohms
0.1g
アクチェータマグネット
Actuator magnet
Neodymium 3mm(D) x 2mm(H)
0.1g
モータユニット
Propulsion unit
4mm pager motor (33.3:1)
1.34g
プロペラ
Propeller (Hand made)
Balsa prop. 6x3.6
0.4g
最大静止推力
Max thrust
5g (170mA)
電池
Battery
45mAh Li-Polymer
1.94g
飛行機重量
Air frame
(Wing 2.5g, Fuselage 1.3g, Tail 0.5g)
4.3g

 ゆったりとした飛行機にはゆっくりと回るプロペラが似合うのではないか?ということで 8.8g での飛行が成功したあとに、筒にバルサ板を巻きつけて作った 8 インチ可変ピッチプロペラを装着して、低速回転のプロペラで飛行可能かをテストしてみました。結果は大成功でした。低速回転でも消費電流の少ない 6mm pager motor を使った 9:1 のギヤユニットを飛行機にセットし、ピッチをダイヤと同じ 8 インチ程度に設定するとフルスロットルでもプロペラは 540rpm ほどしか回りません。ハーフスロットルで十分に飛行が可能です。毎秒 5 回転ぐらいでパラパラと回るプロペラはゆったりと飛ぶ飛行機にとても似合っていました。フルスロットル時 300mA ほどの電流が流れるので、このテストには 145mAh Li-Polymer 電池を使いました。

 その後、同じモータを使って 45:1 のギヤユニットを作りました。 8 インチ可変ピッチプロペラを回してみたところ驚くほど少ない電流で回ってくれました。そこで 45mAh リチウムポリマ電池でテストしたところ、フルスロットル時 640rpm で静止推力 7g (170mA) を得ることができました。水平飛行時では 60-70mA と少ない消費電流になります。モータユニット 2.6g 、プロペラ 0.6g と少々重くなりますが、次回はよりスローなプロペラ回転をめざしてこのユニットでテストしてみたいと思っています。


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2003/04/01 inserted by FC2 system