超軽量 Indoor-plane への挑戦

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可能な限り軽い飛行機作りを目指してみます
 2003 年に 8g プロジェクトを計画したものの、達成できずに年を越してしまいました。 2004 年に再度 8g プロジェクトに取り組みましたが、製作途中で 0.7g という軽量な Li-Po 電池の出現でさらに軽い飛行機の製作目処がたち、 8g プロジェクトを中断して超軽量機の製作に取り組むことにしました

 Kokam からリリースされた 0.70g のリチウムポリマ電池は 20mAh の容量があります。いち早くその電池を入手した Matt Keennon が 50mA : 22min 3.66V average, 100mA : 6min 3.44V average というテストデータを得ています。

 このことから 100mA 以下を目標にモータユニットを選択すれば超軽量な飛行機の製作が可能だと判断できます。そこで早速手持ちのモータの中から外径 4mm 長さ 11mm でコイル抵抗 50ohm のモータを使って 60:9 のユニットを組んで何種類かのプロペラでテストしてみました。

 消費電流は 90mA と何とか使える範囲に収まったものの、いろいろプロペラを替えてみても 1.2g 以上の静止推力を得ることができませんでした。

 効率のよいモータの選択が大事です。そこで Didel からモータを何種類か調達してみました。その中から 4mmx8mm 30ohm 0.47g pager motor と 4mmx11mm 40ohm 0.67g pager moto の二つを選び出しました。

 両者のモータを 60:9 のギヤ比で組み、新たに作った 3.5x2 (89mmx50mm) のプロペラを組み合わせてその推力と消費電流を比較してみました。どちらも 3.5V で 2g の静止推力が得られました。 4mmx8mm モーターでは 80mA、4mmx11mm モータでは 40mA の消費電流でした。

 効率のよい方のモータを使いたいところですが、両者の重量の差 0.2g は大きいので、今回は 4mmx8mm pager motor を使うことにしました。プロペラ軸に 1mm カーボンロッドを使い、軸受けにテフロンチューブを使って軽量化しました。スパーギヤも肉抜きしました。プロペラも比重の軽いバルサを削って軽く仕上げました。ユニット重量 0.80g、プロペラ 0.09g と今までにない軽さです。


今回使用するバッテリモニタを搭載した 0.26g 3 チャンネル受信機

 搭載機材を試算してみました。モータユニットとプロペラで 0.89g、電池 0.70g、受信機 0.26g、アクチュエータを 0.3g として 2.15g になります。あとは飛行機の完成重量で決まってしまいますが、 2g の静止推力で飛ぶ飛行機を作らなければなりません。飛行機は 1g 台で作る必要があるでしょう。

 ここでどのような飛行機を作ったらいいか考えてみました。1g 台の飛行機となるとインドアフリーフライト機以外には考えられません。そこで野中繁吉著「必ずよく飛ぶ室内模型飛行機中級」に掲載されている A-6 という飛行機を作ることにしました。

 翼幅 306mm(10") で飛行機の重量は 1.22g。使用ゴム 0.19g を含めて 1.41g になりますが、プロペラの 0.37g が含まれているので、飛行機そのものは 0.85g しかないのです。 0.08-0.09 と比重の少ない軽量なバルサが使われていますが、少し強度のある飛行機を作る必要があると思われるので多少比重の大きな手持ちのバルサを使います。

 A-6 は主翼面積が 1.928dm2 なので 4g 以内で完成できれば 2g ほどの翼面荷重になります。インドアエアプレーンとしては十分ゆったりとした飛行が見込めます。水平尾翼の面積を少し小さくした方がいいとの石川さんからのアドバイスでオリジナルの 75% の面積にしました。主翼面積の 35% になります。

 まず胴体を作りました。図面ではバルサ角材を使っていますがゴムを使わないのでもっと弱くてもいいはずです。そこで極細の巻胴を作ってみました。釣り竿のカーボンロッドを芯にして長さ 330mm、外径 4mm-3mm のテーパー巻胴を 0.5mm 厚のバルサシートを使って巻きました。強度に不安はなく、 0.18g と思いのほか軽い仕上がりになりました。

 あれこれ思いを巡らしているうちに待望の 20mAh リチウムポリマ電池が届きました。 0.70g と軽量です。プラス電極はアルミタブのままなので簡単に半田付けすることができません。

 アルミはんだが使えそうですがケーブルとコネクタを使うとかなり重くなってしまうので、電池の接続をマグネットコンタクト方式にしました。 2mm 丸 1mm 厚のマグネット 2 個で 0.045g です。電池のタブにマグネットを挟み込むように加工して 0.755g になりました。

充電器のバッテリホルダ側は 2mm のマグネットを埋め込み、幅 2mm 厚さ 0.1mm の燐青銅板を貼り付けて電極にしました。

 垂直尾翼のアクチュエータは 0.025mm のワイヤを 650 ターン巻いた 220ohm のコイルと、 3mm 丸 0.6mm 厚のマグネット 2 個を組み合わせました。 2 個のマグネットの間に 0.1mm 厚の隣青銅板の小片を挟み込み、その小片をラダーに差し込んでマグネットを固定するようにしました。コイル 0.08g、マグネット組み立て 0.07g を含む垂直尾翼生地完成で 0.2g です。


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2004/03/24 inserted by FC2 system