今回は動きの激しい飛行機に赤外線受信機を搭載してその実用性をテストしてみようと思います。赤外線受信機を搭載するにあたり、搭載する電池も Li-Polymer 電池に変更することにしました。飛行機の性格上せっかくの高推重比を犠牲にしたくないので、140mAh Li-Polymer 電池 3 セル仕様としました。
8x50mAh Ni-Cd 電池を使っていたときはピーク電流を 1A ほどに設定していました。 3x140mAh Li-Poly で同じ入力になるように設定にするとピーク電流は 0.9A 近くになります。かなり過酷な設定になりますが、 1A ほどの電流を流してテストを重ねている仲間の状況から何とか使えると判断しました。通常の飛行では問題になるほどの電流は流れません。電池の変更だけで一挙に 18g も軽くなります。
電池が軽くなったのは嬉しいのですが、そのために重心位置が合わなくなってしまいました。仕方なくサーボを重心位置まで前に移動しました。動翼までの距離が遠くなったため、やや太い 1.3mm カーボンロッドをプッシュロッドに使いました。
Li-Poly 3 セル用のスピコンとなると電源電圧と BEC 電圧との差が大きくなるため、その発熱をうまく処理しないとスピコンが壊れてしまいます。 "FunFan" に搭載してある Micro6 スピコンは説明書で 10.5V までとなっています。電圧は充電直後 12V を超えますが、レギュレーター IC の耐圧からは問題ないと判断しました。それよりも BEC 電圧の 5V と供給電圧 11.1V との差が熱という形で消費されるため、負荷電流が大きく影響してきます。テストでは二つの HS-50 サーボをある程度の負荷で同時に頻繁に動かすと 0.2-0.3A の電流を消費することがわかりました。シュリンクチューブを通して伝わってくる熱はかなりのものです。 1.8W ほどが熱となっているのです。インドアプレーン用のスピコンのほとんどが軽さを優先させるため放熱板がついていません。そこでレギュレーターチップのパッケージ部分だけシュリンクチューブを切除してアルミで作った放熱板をボンドサイレックスで接着しました。
赤外線受光素子は垂直尾翼の上と、脚の2個所に取り付けてみました。全備重量が 82.6g だった "FunFan" は 64.1g まで軽くなりました。
2003/02/09 に三浦市潮風アリーナでテストフライトを行いました。とてもお天気が良く、昼間の飛行会なのでかなりの陽射しがありましたが、できるだで陽のあたらない場所を選んで飛ばしてみました。離陸、水平飛行、ループは問題なかったのですが、自分に向かう旋回のときにセンサーの受光が乱れたのかスロットルと動翼がガチャつき、何度か不安定な状況に陥りました。結果的に低空での動翼のガチャつきで床に衝突し、モーターの脱落とフィルムの一部に穴があいてしまいました。フィルムを貼り替えるのは大変なのでとりあえずテープで補修しましたが、 "FunFan" のような激しい動きをする飛行機へのセンサーの取り付けについてはもう少し検討する必要がります。新たに高感度赤外線受光素子も調達できたので、従来の赤外線受光素子と比較検討しながら、今後問題なく飛行できる状況まで改善していきたいと思います。
Model | 赤外線受信機搭載 "FunFan" |
翼幅 Wingspan | 600mm (23.6") |
全長 Length | 530mm (21") |
翼面積 Wing area | 24.5dm2 |
全備重量 Weight | 64.1g (2.3oz) |
翼面荷重 Wing loading | 2.6g/dm2 |
受信機 Receiver |
IRXS300 (IR receiver with 2 sensors) 1.5g |
サーボ Servos |
Hitec HS-50 (Mod.) x 2 (@4.1g) |
モーターユニット Propulsion unit |
DC5-2.4(10:1) 12g |
スピコン Speed controler(ESC) |
WES Micro6 2.1g |
プロペラ Propeller |
Hand made balsa 23cmx12cm 1.7g |
電池 Battery |
3x140mAh Li-Polymer 11.4g |
飛行機重量 Air frame |
27.2g |