Indoor-plane "FunFan2" の設計

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"FunFan2" は更に狭いスペースでも曲技可能な機体に仕上げようと細部を見なおしてみました。
Indoor-plane 1 号機 "FunFan" も飛ばしてみた感じでは低翼面荷重ということもあって驚くほどゆっくりと飛んでくれます。また翼がとても薄いのでスピードを出すとこれまた驚くほど速く飛んでくれます。緩急自在な飛行ができ、ホバリングもできるほどパワフルでとても面白い機体です。しかしながらバレーコート一面の広さではロールもループも試すには勇気がいります。横須賀の 3 面ある体育館では十分な広さから気持ちの上で余裕があり、ロール背面飛行も可能でした。壁で囲われたスペースである程度の曲技をこなすには、操縦技術もさることながらかなりの勇気が必要です。十分機体に慣れればできると思うのですが...。 そこで、なんとか狭いスペースでも余裕を持って曲技ができる Indoor-plane を作りたいと思いました。それには今まで以上に舵の効きをよくしないと無理です。 直径 1.5m ぐらい、できれば 1m ぐらいのループが可能な機体を作りたいと思います。 Indoor-plane では飛行スピードの遅さからかなり舵角を大きくしないと小回りしてくれません。動翼面積を大きくして舵角も増やしてみます。ループもしやすいように全長を短めにしてみます。

Indoor-plane 1 号機 "FunFan" に使用した WES のサーボは最大ストロークが 14mm でした。実際には全ストロークを使うことができません。 Futaba の FF8 送信機を使った場合で 10mm 程度のストロークでした。無尾翼に使う場合はエレボン動作で使うことになり、エルロンとエレベーターの両方でサーボをコントロールするので、片側 5mm の半分ずつをエルロンとエレベーターが分けあいます。飛行速度の遅い Indoor-plane でクイックレスポンスを得るには大きな舵角を必要とします。 2.5mm のストロークで大きな舵角設定するにはかなりの無理があります。また、リニア動作するのはいいのですが、 WES サーボはホーンを取りつける部分の軸構造にガタが多く、動翼の動作角を大きくすると遊びも多くなってしまいます。
そこで、今回 Hitec の HS-50(5.8g) サーボを使ってみることにしました。 WES のサーボと比べると少し重くなりますが、動作、信頼性において欧米では評判のいいサーボです。
UNION の 6g サーボホーンの大きさを想像していましたが、手元に届いたサーボにはとても小さなホーンが取り付けられていました。軸からの距離が遠い穴で 6mm 、近い穴で 5.5mm でした。これでは大きなストロークを得ることができません。最大でも片側 30 度で 3mm のストロークしか得られないのです。
そこで、サーボホーンに動翼を直結駆動する方法にしました。 BRAUN Model から売り出されている Indoor-plane Kit "Mouse" でも似た方法が採用されています。 この方法はプッシュロッドが必要ないのでリンケージのガタを最小限に抑えることができます。反面胴体後部にサーボを取りつけることになるので、重心位置を合わせるのが難しくなってきます。

動翼面積も大きく、大きな舵角を確保する必要からサーボの負担を少しでも減らすため、マスバランス方式を採用しました。
動翼の翼弦 100mm に対して支点を前から 40mm に設定してみました。マスバランス方式なので 20mm 幅の動翼を動かすのとほぼ同じ力で 100mm 幅の動翼が動かせる計算になります。

WES サーボの代わりに Hitec HS-50 サーボを使用した場合、 2 個で 6g ほど重くなるので、 Lithium 電池を使わずに 8x50mAh ニッカド電池を使うことで全体の重量増加を抑えることにしました。
HS-50 サーボには標準サイズのコネクターがついているので、 Sky Hooks の受信機と組み合わせるためにマイクロコネクターに取り替える必要があります。

重量は "FunFan" と同じ 90g ぐらいを予定しています。主翼 17.3dm2 + 動翼 6.3dm2 で 23.6dm2 の翼面積としてみました。

Hitec HS-50 サーボはホーンを手で回してみると軽く動きます。ホーンの動きも 180 度近くまで可動なので送信機側で大きな舵角設定をしても問題なさそうです。エレボン設定で使うわけですが、エルロンもエレベーターも 45 度近い舵角設定にしたいと思っています。
HS-50 サーボのコネクタをマイクロコネクターに取り替えるために裏ブタを開けました。基板上のチップパーツの半田、リード線の半田、モーターへの半田等どこを見てもとてもきれいです。モーターへの結線も途中でリード線を支持してから半田付けされていました。これなら評判がいいのもうなずけます。GWS、WES のサーボとは比較になりません。外径 6mm ほどのとても小さなモーターが使われていました。

動力用モーターは今回も DC5-2.4 を使い、ギヤ比 9:1 のユニットを作ってテストしてみます。プロペラは自作カーボン 23cmx12cm を使います。モーター軸に 6 枚歯のピニオンを使用するのでスパーギヤには 54 枚歯のものを使うことになります。
ギヤユニットの製作方法については「技術情報」をご覧ください。

前回製作した 8:1 のギヤユニットで 23cmx12cm のプロペラを 3xTadiran Lithium 電池(9V)でドライブした場合、フルパワーでは電池の許容最大電流の 1A を若干超えてしまいます。そこで少し負荷を軽くしてみようと 9:1 のギヤ比にしてみました。


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