DC6-8.5 コアレスモーターの軸径は 1.5mm ですが、ギヤ比を大きくして大径のプロペラを駆動するため、 6 枚歯ピニオンの内径 1mm を 1.5mm に広げ、 60 枚スパーギヤと組み合わせて 10:1 のギヤユニットを作りました。また、このユニットと組み合わせるプロペラとして 11x5 のプロペラをバルサブロックから新たに削りだしました。今回も左利きということから逆ピッチプロペラを作りました(タイトル画像)。
DC5-2.4 コアレスモーターと比べると DC6-8.5 コアレスモーターは 6g ほど重くなります。ドライブする電池は 2 セル 570mAh もの容量を持つ Li-Ion 電池を使いますが、 8x50mAh Ni-Cd 電池より軽くなります。 ドライブユニットが 18.7g 、プロペラが 2g 、電池が 28g になります。
上記の組み合わせで中盤の電池電圧が安定したとき、フルスロットルでの電圧 7.4V 、電流 1.38A 、 入力 10.2W で静止推力が 128g あります。 2.4C 程の電流なので電池の負担も少なく、フルパワーでも Li-Ion 電池の定格電圧が保たれていることから、かなりゆとりのあるパワーを長時間継続できそうです。
DC5-2.4 コアレスモーターでは 8x50mAh Ni-Cd 電池を使って短時間なら 1A の電流で最大 10W の入力に耐えることができます。今回の DC6-8.5 コアレスモーターと 2x570mAh Li-Ion 電池の組み合わせで中盤 1.38A 、入力 10.2W になり、後者のほうが静止推力も上回り、許容入力にも余裕があります。
"FunFan2" に今回のユニットを搭載して、 2x570mAh Li-Ion 電池を搭載したところ、全備重量が 104g になりました。パワーユニットの中盤推力においても重量を大きく上回る静止推力があるので、かなりのパフォーマンスが期待できそうです。 11x5(28cmx12.5cm) と今までになく大きなプロペラを装着するため、脚も 3cm ほど長くしたものを作り直しました。
インドアプレーンに使用するプロペラもだんだんサイズが大きくなってきました。プロペラの材料はバルサ等軽量な材料で作ることができるので、大きなプロペラでも軽く仕上がります。
計算の嫌いな私はあまり深く考えないでプロペラを作ってきたわけです。ところが、静止推力を割り出す簡易計算式が坂本さんの技術情報に載っていて興味深く読みました。静止推力はプロペラ直径の 3 乗に比例し、回転数の 2 乗に比例することを知りました。
Th = (D/10)3 x (P/10) x (R/1000)2 x K
Th:静止推力(g) D:プロペラ直径(インチ) P:プロペラピッチ(インチ) R:プロペラ回転数(rpm) K:プロペラ係数
今回搭載するバルサプロペラ (11x5) のプロペラ係数をこの式に当てはめて割り出してみました。初期 2500rpm のときに 128g の静止推力を実測しているので
K = Th / ((D/10)3 x (P/10) x (R/1000)2) = 128 / (1.13 x 0.5 x 2.52) = 31
このプロペラ係数は 31 になります。プロペラ係数がわかれば、回転数からそのときの静止推力を簡易式によって求めることができます。実際にプロペラの静止推力を測るのは結構大変なので、この簡易計算式が使えるととても便利です。では中盤 2220rpm のとき(実測値 102g) と 2120rpm のとき(実測値 92g) の静止推力を簡易計算式から割り出してみましょう。
Th = 1.13 x 0.5 x 2.222 x 31 = 101.7(g)
Th = 1.13 x 0.5 x 2.122 x 31 = 92.7(g)
簡易計算式から求めた値は実測値とかなり一致します。静止推力だけで飛行性能を語ることはできないと思いますが、少なくとも飛行速度の遅いインドアプレーンでは、静止推力がその飛行性能に与える影響は大きいと思われます。
翼幅 (Wingspan) | 710mm (28") |
全長 (Length) | 500mm (19.7") |
翼面積 (Wing area) | 23.6dm2 (366inch2) |
全備重量 (Weight) | 104g (3.7oz) |
翼面荷重 (Wing load) | 4.4g/dm2 |
使用電池 (Battery) | 2x570mAh Li-Ion |
受信機 (Receiver) | RX5-2.3 |
サーボ (Servo) | Hitec HS-50x2 |
モーター (Motor) | DC6-8.5 (10:1) |
プロペラ (Propeller) | 11x5 (28cmx12.5cm) Hand made |
スピコン (ESC) | micro 6 |
六会市民センター体育館でテストしてみました。プロペラサイズが大きいので反トルクの影響が少し感じられます。狭い体育館なので過激な飛行はできませんが、 Li-Ion 2 セルによるパワーは申し分ありません。途中 RX5-2.3 受信機不調による他チャンネルとの混信で墜落してしまいましたが、幸いプロペラが割れただけですみました。
その後受信機を GWS(改) に変更し、潮風アリーナの広い体育館で思う存分飛ばしてみました。 4 分、 8 分、 11 分と飛ばしたあと 4 フライト目はどのぐらいの時間連続飛行できるのかためしてみました。ループ、ロール、背面飛行、スパイラルダイブ等織り交ぜながら結構過激に飛行させましたが、 20 分を経過してもなお連続 3 回ループを余裕でこなすほどパワフルでした。飛行中に体育館の利用時間が過ぎてしまったためやむなく飛行を中断しました。 20 分以上過激に飛ばし続けたにもかかわらずモーターはほんのり暖かい程度でした。 Li-Ion 電池の長時間にわたる安定した電圧と十分に余裕のある DC6-8.5 コアレスモーターの組み合わせは長時間に渡り素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。