Indoor-plane "FunFan2" に Astro Firefly モーターを搭載

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作ったときにはこれほど面白い飛行機とは思ってもいませんでした。


 "FunFan2" が完成して一年が経過しました。すでに 86 フライトしましたが Aerobatics を想定して作ったこの機体は十分にそのパフォーマンスを発揮してくれて大いに楽しめる機体に仕上がっています。

 完成当時と仕様が若干変りました。まず受信機ですが、当初 Sky Hooks の受信機を使っていました。軽いのが何よりも最大の特徴であったわけですが 72MHz 帯では Low バンドと Hi バンドの 2 波ぐらいでしか同時飛行が出来ないという分離の悪さがネックでした。広い体育館では 4 機同時に飛行することも珍しくありません。そのような状況で Sky Hooks の受信機を使うのは周りの人たちに迷惑をかけることにもなります。そこで多少重くなるのは覚悟して隣接チャンネル干渉のない受信機に変更しました。細部においては不満があるものの、比較的軽量で何よりも安価な GWS 4ch 受信機を使いました。 JST コネクタ仕様に変更するなどして軽量化を図りました。電池も当初 8x50mAh Ni-Cd 電池を使っていたのですが 1 回の飛行時間が 4-5 分程度と少なかったので 3x430mAh Tadiran 電池に変更しました。Tadiran 電池は急速充電が出来ないのですが、前もって充電しておけばかなりの時間飛行できるので体育館に充電器を持ち込まなくてすみます。前者の 30g に対して 後者では 38g と若干重量も増加する結果となりました。途中フレームの強化で 4g の重量増加もあり、全備重量が 108g と重くなってしまいました。

 飛行については操縦技術の未熟さもあるのですが、ロールも背面飛行もループも難なくこなします。ループ直径の小ささには驚くばかりです。無風の日に屋外でスパイラルダイブもやってみました。とりあえずの目標はインドアでのローリングサークルです。今まで背面飛行時に 2 度墜落させましたが、軽いのとカーボンロッドの弾力からか無傷でした。自作のカーボンペラも結構障害物にぶつかるなどしましたが今だ健在で、3g と軽量なペラですが立派に働いてくれています。翼面荷重が 4.5g/dm2 (動翼面積も含んだ計算)と少ない事もあり、とても遅い飛行が可能でです。またフルパワーでは翼の薄さもあって驚くほどのスピードで飛行します。差し込むだけの垂直尾翼も全く問題ありません。一番問題なのは操縦技術だけです、はい。

 曲技飛行に特化した飛行機として飛ばし続けてきましたが、つい先日 Astro から Indoor-plane 用に開発されたコアレスモーター Firefly を入手しました。直径 10mm 、長さ 39mm に 16:1 のプラネタギヤが組み込まれています。磁石には Astro こだわりのサマリウムコバルトが使われています。テストのために今回このモーターを "FunFan2" に載せてみました。 3x430mAh Tadiran リチウム電池搭載時の全備重量が 109g になります。 10x5 バルサプロペラを装着しての回転数は 2140rpm 、静止推力 76g でした。 Firefly モーターに 10x5 のプロペラは巨大に映ります

 翌日三浦市潮風アリーナの飛行会に持ち込んで飛ばしてみました。第一印象は音がとても静かです。モーター音の静かさからなんとなく力弱さを感じますが、パワーもスローフライには十分です。なんと言ってもフルパワーで 0.5A と少ない電流消費にもかかわらず十分高度を取れるだけの上昇力もあります。 Tadiran リチウム電池にもこの程度の電流を限度にした使い方のほうがよさそうです。タイマーをみながら飛行し、ちょうど 10 分飛んだら着陸させるという飛ばし方で 4 フライトしました。なんと通算 40 分も飛んだのです。まだまだ飛びそうです。飛ばし終わったあとのモーターは全く暖かさを感じません。曲技用に作った飛行機ですが今回はスローフライに徹して飛ばしてみました。エレベーターもトリムでアップ気味にセットし、若干エルロンを切った状態にしたら、送信機から手を離してもかなりの時間体育館の中をゆっくりと大きく旋回しながら安定した飛行をしました。こんなにリラックスして飛ばしたのは初めてです。過激な飛行も面白いのですがゆったりと優雅に飛ばすのもいいものです。果たして 40 分の飛行で電池はどの程度消費したのか気になるところです。帰宅後早速充電してみました。 75mA の電流で充電完了までに 3 時間 50 分かかりました。充電量は 287mAh という計算になりますが、通常充電時の充電量は 20% ほど多いことを考慮すると、実際には 230mAh ほどの消費量になります。ほぼ 平均 345mA の電流で飛行したことになります。単純計算で連続 1 時間 15 分の飛行が可能です。受信機およびサーボの消費電流も含んで 109g の飛行機が 2.8W ほどの電力で飛んだ計算になります。素晴らしい効率です。

 今回のテストから Firefly モーターのパワーを効率よく最大限引き出すには許容電圧の 9V 前後でドライブし、 10 インチ以上のプロペラを回すのがよさそうです。 Firefly の規格内で使う場合はある程度大きな飛行機に載せたフローフライ機ということになりそうです。電源には 7 セルから 8 セルの Ni-Cd 電池か 3 セル Tadiran リチウム電池が向いているようです。どちらかというと軽いほうの 8x50mAh Ni-Cd 電池がいいと思います。十分効率がいいので 50mAh 電池でも 7 分ぐらいの飛行は見込めるし、軽いことが何よりも素晴らしいパワーの源になるからです。モーターとプロペラで 15g 、 8x50mAh Ni-Cd 電池が 30g 、スピコン 2g 、受信機 5g 、サーボ 2 個 8g として試算すると搭載機材が 60g ほどになります。機体を 40g で仕上げれば全備重量 100g の飛行機を翼面積 20dm2 で作って翼面荷重 5g/dm2 のスローフライができます。推力は 80-90g ほどもあるので申し分ない飛行機に仕上がると思います。市販のキットに組み込む場合は "WESPE" あたりがいいかもしれません。

   DC5-2.4 モーターのように定格を超えた使い方ができればもっとパワフルなセッティングもできて面白いとは思うのですが、 16:1 ものギヤ比のためにその範囲も狭まってしまいます。 8:1 前後のギヤ比ならもっと応用範囲が広いと思うのになぜ 16:1 を採用したのか理解に苦しむところです。


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