Indoor-plane "FunFan2" の完成

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過激な動翼面積と舵角を持つ "FunFan2" が完成しました。
Sky Hooks の受信機を 1 台で使いまわしているのも積み下ろしが大変なので 2 台目を調達しました。注文してから届くまでに 2 ヶ月ほどかかってしまいました。使ってみてとても具合がよかったので追加注文したものです。

前にも書きましたがこの受信機はアンテナ線の長さが 80cm あります。Indoor-Plane で使う場合アンテナ線の処理に困ります。横須賀の山尾さんも同じ受信機を購入しましたが、一度飛ばしてみて問題ないことを確認したあと大胆にもアンテナ線を半分の長さに切ってしまいました。飛ばしてみた結果は何でもないということでした。比較的近くで飛ばすので問題ないのかもしれません。しかしアンテナ線を短く切ってしまうのは少々抵抗があるので、ストローを芯にしてアンテナ線の一部を巻きつけ、見かけ上の長さが短くなるようにしてみました。あらかじめ Mini-plane 3 に搭載してテストを行いました。 Indoor で 5 フライト、 Outdoor でも 1 フライトしてみましたが問題ありませんでした。 Outdoor での飛行はモーターのブラシ交換と頻繁にオートカットが働いてしまった slim-8e スピコンを Micro 6 に替えてのテストも兼ねました。比較的風の穏やかなときに 6x120mAh 電池を搭載して舟地蔵の土手から離陸してみました。途中風が多少強くなりホバリング状態が続いたので、タイマーで10分経過したのを確認して着陸させました。コアレスモーターの効率のよさに改めて驚きました。

今回の機体は Aerobatics を目的としているので、アンテナ線をぶらぶらさせておくとプロペラに巻き込んだり動翼の隙間に挟まったりする危険があるので、見かけ上短くしたアンテナのコイル部分を機体の一部にテープで固定しました。先端は垂直尾翼に固定します。
受信機は使いまわしができるようにベルクロテープで固定しています。スピコンもベルクロテープで止めるようにしてみました。

マイクロコネクターに取り替えた HS-50 サーボは、動翼の翼面と主翼の翼面の高さが揃うようにサーボベッドをバルサで加工して 0.5mm の両面テープで背中合わせになるように固定しました。

Indoor-plane は使う材料も少ないので比較的簡単にできてしまいます。ところが Indoor-plane を作り始めてから新たな問題が発生しました。今まで作ってきた Outdoor-plane に加えて Indoor-plane が増えたために Futaba FF8 送信機の 8 機分のモデルメモリーでは足りなくなってきたのです。"FunFan" 1 号機の時も普段あまり飛ばさない飛行機の設定をクリアしてセットしなおしました。短期間に数多くの飛行機を作ってはあまり飛ばさない機体があるのでこのようなことになってしまいました。 Futaba の最上位機種の送信機なら最初からモデルメモリーの数も多く、きめ細かな設定もできるのでほかの送信機はまったく必要なくなると聞きました。しかし価格も高価ですぐには買えません。結局 DP-16K というメモリーモジュールを購入して更に 8 機分のモデルメモリーができるようにしました。セットしてみた結果は快適で、はじめから 16 機分のモデルメモリーが備わっていたかのごとく機能します。また、送信機の電源さえ切ってあれば増設したメモリーモジュールは抜き取ってもデーターは消えることがないということなので使い方によっては便利に使えそうです。

1 号機での問題点の改善と新たな試み

  1. 受信機を他の機体に簡単に積み替えることができるように機体への装着をベルクロテープで行うようにしてみました。スピコンも同じ方式にしました。
  2. 電池を交換するときに胴体が細いので指がフィルムに当たって傷をつけてしまうことが多かったので、なるべくフィルムに触れにくいように電池を支持するためのフックを斜めに配置してみました。
  3. 垂直尾翼を着脱できるようにして運搬時のキャリングケースを簡素化しました。
  4. 初めて Hitec HS-50 サーボを使ってみました。欧米での評判がいいので一度使ってみたかったのです。
  5. 大舵角を実現するためにエレボン動翼をサーボでダイレクトドライブしてみました。
  6. DC5-2.4 モーターのギヤ比を 9:1(54:6) で組んでみました。機体の性格上どうしてもモーターが過負荷運転気味になってしまうので、多少ギヤ比を上げて(前回は 8:1)モーターへの負担を少し軽くしてみました。取りつけ方法も変更し、モーターの冷却効果を高めました。
  7. SHR-RX72 受信機のアンテナ線を途中コイル状に巻いて見かけの長さを半分にしてみました。
  8. 2 点支持方式マスバランス動翼を採用してみました。サーボにあまり負担を掛けないで大きな舵角設定ができるようにしました。ついでに着脱可能にしました。
  9. 垂直尾翼は片面だけにフィルムを貼るようにしました。多くの Indoor-plane でこの方法が採られているのに気づきました。ほんのわずかな軽量化もおろそかにしない点は勉強になりました。
  10. 舵角を極端に大きくしたのでエレボンを EXPONENTIAL 30% 設定にしてみました。
今まで糊のついていないフィルムを貼る場合、スコッチ 77 を接着剤として使っていました。今回は山尾さんから "Leichtfix" という BRAUN Modelltechnik から出ている接着剤をいただいたので早速使ってみました。見た感じと匂いと粘度はホワイトボンドに似ています。 hot melt glue ということなので接着面に塗布したあと、乾いてからフィルムをのせて熱を加えることによって接着剤が柔らかくなって接着できるようです。小さな平刷毛で垂直尾翼の片面に塗ってみました。意外とバルサが接着剤を吸収します。重くなるのもいやなのでそのまま一度だけ塗ってみました。1 分ほどで手を触れてもべたつかなくなりました。あらかじめ一回り大きくカットしておいたフィルムをのせて、しわがなくなるように周囲を指で押さえつけると手のぬくもりで仮止めした感じになります。丁寧にしわをとり、あとは低温のアイロンで周囲を固定してから全体をシュリンクさせました。
スコッチ 77 と比較して作業時間が短くて済みます。また刷毛塗りができるので周囲を汚すことがないのと、フィルムを貼る部分だけに塗ることができるのがいいですね。接着強度についてはそれほど差がないように感じます。スコッチ 77 の場合は接着剤がバルサ表面に膜として形成されるような感じでしたが、 "Leichtfix" ではバルサに染み込む感じなので後者のほうがフィルムを貼ったあとすっきりしている感じです。動翼も同様 0.002mm のフィルムを貼ってみました。
心配したカーボンロッドへのフィルム貼りも問題なく接着することができました。こちらは 0.005mm のフィルムを貼りました。周りにはみ出したフィルムはできるだけ短くはさみで切った後、半田ごての熱で残ったフィルムを溶かしました。すばやく縁をなぞるだけできれいに仕上がりました。

モーターユニットは今回横に寝かせて取りつけてみました。 0.5mm の両面テープで貼りつけてあります。モーターの露出部分を少しでも多くして冷却効果を高めるのが目的です。重量バランスとプロペラ軸が多少ずれますが問題ないと思っています。サイドスラストもダウンスラストもつけていません。
電池ホルダーは支持ピンをご覧のように斜めにセットしてフィルムからの距離を確保しました。

実際の舵角設定はご覧の通り。エルロンを右いっぱいに切ったときの最大舵角です。左右の動翼をみると確かに 90 度になっているのがわかります。過激にも片側 45 度の設定にしましたが果たして思い通りに飛んでくれるのでしょうか?フローリングの床で走らせてみましたがエルロンを右いっぱいに切ると左に曲がってしまいます。 パラグライダーの旋回に似ています。相当抵抗も大きいと思われるので実際の飛行ではどのようになるのか多少の不安もあります。

"FunFun2" 緒元
翼幅 (Wingspan)

710mm (28")

全長 (Length)

500mm (19.7")

翼面積 (Wing area)

23.6dm2 (366inch2)

全備重量 (Weight)

94g (3.3oz)

翼面荷重 (Wing load)

4g/dm2

使用電池 (Battery)

8x50mAh

受信機 (Receiver)

Sky Hooks SHR-RX72

サーボ (Servo)

Hitec HS-50x2

モーター (Motor)

DC5-2.4 (9:1)

プロペラ (Propeller)

23cmx12cm Hand made carbon prop.

スピコン (ESC)

micro 6

フィルム (Film)

主翼 7.0g/m2 (0.005mm)
動翼・垂直尾翼 2.2g/m2 (0.002mm)

機体のみの重量 (Structure weight)

33g (1.16oz)

今回の機体は重心位置が計算で割り出せません。あらかじめ描いたCAD図面と実際に曲げたカーボンロッドのカーブが微妙に違うのです。後からCAD図面を修正し、図面から重心位置 21%(CG) を割り出してみました。実際の飛行状態をみて調整する必要があるかもしれません。

Indoor-plane に使用するフィルムも軽量なのはいいのですが、ほとんどの軽量フィルムは透明です。特にカーボンフレームの飛行機の場合、透明と黒の組み合わせという事になるので体育館内では視認性も悪く、写真写りもよくありません。カラースプレーで塗装している機体も見うけられますが重量の増加が気になります。せめてフィルムに色がついていたらと思っていましたが、つい最近山尾さんと大野さんがフィルムを染めることに成功したという事です。今度お会いしたときにこのあたりの情報をお聞きしようと思います。


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