Mini-plane 2 動力ユニットの製作

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今回は 130 系モーターを使って、 Mini-plane 2 号機のための動力ユニットを作ってみました
無尾翼ミニプレーンも少しずつ改良を加えながら現在 60 フライトを超えました。驚くほどよく飛んでいます。 そこで今回は、もう少しパワーに余裕のある機体作ろうと考え、ミニ四駆の 130 モーターに注目してみました。

ミニ四駆用のモーターは安価に出回っていて、簡単に入手することができるので、 Mini-plane に 使えないだろうかと考えたわけです。

ミニ四駆用のモーターは電源電圧が 2.4V-3V です。したがって受信機電源と共用することができません。受信機用の電源を別に用意するか、 DC-DC コンバーターで受信機用の電源を供給する必要がありそうです。また、 2-3 セルで動作するスピコンも市販されていません。ミニ四駆のモーターが使えるかどうかは、このスピコンにかかっています。どうしてもだめなら、単に ON/OFF だけでもいいことにします。

ミニ四駆モーターには沢山の種類があります。マッハダッシュ、トルクチューン、ウルトラダッシュ、 プラズマダッシュ、 7 万回転も回るという特別なモーター等。値段も 300 円ぐらいから 4000 円 ぐらいまでありました。とりあえず田宮から出ているモーター4種類(一番高いモータで 800 円)を調達してみました。なかでもウルトラダッシュモーターとプラズマダッシュモーターはカーボンブラシを使っていて、どちらも定格電流が 4A ほど流せる高出力タイプなので、 Mini-plane の動力に使えそうです。どちらも無負荷回転数は 29000rpm rpmとあり、ウルトラダッシュのニッカド 2 セルでの実測値は無負荷で 28800rpm でした。ギヤダウンで使うことになります。

2mm シャフトに 44 枚のスパーギヤがついた車用のパーツを模型店でみつけました。 また、モーターピニオンは 8 、 10 、 12 枚の 3 種類 1 組のものをみつけました。 これで 5.5:1 、 4.4:1 、 3.7:1 の組み合わせが作れます。 ベアリングはジャイロソーサーに使われている外形 5mm 、内径 2mm のものを 2 個使います。 無負荷回転数の 60% 程度で使うと 17000rpm 、 5.5:1 で 3200rpm 、 4.4:1 で 4000rpm といったところでしょうか。プロペラはゴム動力用の 15cm 、 18cm のものが使えそうです。 はじめのうちはウルトラダッシュモーターを使って各種の実験を行っていましたが、 途中からカーボンブラシの状態がよく観察できるプラズマダッシュモーターに切り替えました。 一部の共通実験の結果、後者の方が若干パワーがあることがわかりました。

スピコンは、 E-Zone で紹介されていた、 サーボアンプに FET を追加するだけの簡単な回路を元に手元にあった古い三和サーボのアンプを 取り出してスピコンを作ってみました。 実験の結果十分実用になることを確認しました。

最初 15cm のペラを 5.5:1 のギヤ比で実験してみましたが、 2 セルでは回転数、推力が期待したほど 上がらず、 3 セルでテストしたところ、初期 6.7A 、 4400rpm とまあまあの出力でした。
18cm ペラでは 5.5:1 のギヤ比で駆動した場合、 2 セルで中盤 4.2A 、 2500rpm 、 推力 48g という結果でした。これはジャイロソーサーのモーターと比べても、とても非力で実用になりません。 4.4:1 では 2 セルで中盤 5.2A 、 2800rpm 、推力 72g という結果になりました。 150g ぐらいまでの全備重量なら飛びそうです。それにしても期待はずれの推力です。 3 セルで使えば推力の点では問題なく使えそうです。 2x500AR 電池での駆動を考えていたので、 受信機用に別電源が必要なことを考慮すると、 3 セルでは重量面から不利になります。

今回テストしたデーターと、大岩君の使っている UNION のギヤユニットでのデーターを比較した結果、UNION ギヤユニットに使われている 130SZ モーターの方が効率がいいということがわかりました。 低電圧大電流での駆動より、高電圧低電流での駆動の方がいろいろな面でメリットがあります。 急遽 UNION ギヤユニットを調達し、比較検討してみました。 UNION ギヤユニットをそのまま使ってもいいのですが、軸受けメタルがハトメで、結構ガタがあり、 回しはじめにそのガタからか、スパーギヤの削りかすがかなり出ます。そのまま回していると出なくなるということですが、とても気になります。また重いのも問題です。そこで、分解してモーターだけを使うことにしました。ミニ四駆のモーター 18.5g(プラズマダッシュ)に比べて 24g とやや重くなっています。これはエンドベルが金属製のためと思われます。 よく観察してみると、しっかりしたカーボンブラシが使われていて、かなり進角がついているのがわかります。

4.4:1(44:10)のギヤ比でギヤユニットを作ってみました。プロペラ装着の方法も Indoor-plane によく見られる、輪ゴムでとめる方法を採用してみました。 模型工作で使うスプリング式ユニバーサルジョイント特小の、軸受け部分だけを外して 0.9mm のドリルでピアノ線を差し込む穴を明け、半田付け加工しました。軸受けはジャイロソーサー用のベアリング部分を切断し、支持間隔を大きくして取り付けました。出来上がったユニットは 28g と軽くできました。 18cm ペラとの組み合わせで 33g になります。 UNION のギヤユニットと比較して 10g ほど軽くできました。
ベアリングは内径 2mm 、外形 5mm の良質なものが、ミニ四駆用のパーツとして出ていることがあとでわかりました。内径 5mm のアルミパイプか中空カーボンロッドをベアリングの支持に使えば、比較的簡単に良質なギヤユニットが出来ると思います。この材料はまだ入手していませんが、スポーツカイト用のパーツが使えそうなので近く調達したいと思っています。

ミニ四駆用に出回っている豊富で安価なパーツが利用できるので、このクラスの動力ユニットは比較的簡単に作ることができそうです。
たとえば、UNION のモーター付きギヤユニット 1000 円、 2mm ベアリング 4 個つきパーツとも 800 円、 44 枚スパーギヤ(2mm シャフトつき)部品セット 300 円、ピニオンギヤセット(8 、 10 、 12 枚) 30 円、ライトプレーン用ペラ(15cm 、 18cm)セット 150 円、スプリングユニバーサルジョイント特小 2 個入り 150 円。これらの部品を組み合わせて作れば、 1800 円ほどでギヤダウンユニットが出来てしまいます。 400 クラスの電動機に使われる部材と比べてとても安くできますね。

6x120mAh 電池で 18cm ペラの場合、初期 1.6A 、 3500rpm 、推力 90g 。中盤 1.3A 、 3200rpm 、推力 75g でした。また 21cm ペラの場合は、初期 2900rpm 、推力 120g 以上。中盤 2.0A 、 2700rpm 、推力 100g でした。 6 セルで十分飛行可能な機体が出来ると思われます。専用のスピコンも作らなくてすみ、受信機専用電池も必要なくなるので、総合的にみて重量面で有利になります。 ということで、今回は2セルでの駆動を断念し、 6 セル電池を使うことにします。 電池は新たに 110mAh 電池 3 セルパックを 2 個組み合わせて作りました。 6x120mAh 電池は 39g でしたが 6x110mAh 電池は 45g ほどになります。多少重くなりますが、内部抵抗が低いという特徴があります。何よりも 3 セルパックがとても安価に入手できたので、今回は 6x110mAh 電池を使ってみたいと思います。


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