無尾翼スポーツ機の再飛行

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初飛行時の失速経験から翼端捻じり下げを検討し直し、再度飛行テストを行いました


Indoor 2000 受信機の到達距離の短さは、ある程度予想はしていたものの思いのほか距離が伸びずがっかりしてしまいました。
しかし、もう少し確実に動作する距離を伸ばすことができそうな気もします。アンテナ線を倍ぐらいに延長し(もちろんアンテナコイルの調整が必要)、受信機の配置を工夫するなどすれば 400 モーターでの実用範囲まで到達距離を伸ばすことができるかも知れません。このあたりは機会をみて再度テストしてみたいと思います。
代替え受信機は R113F の改造したものを載せました。この受信機も地上用ということでそれほど到達距離はないと思われますが、今までの飛行範囲では全く問題ありません。
不安要素の多い飛行機を飛ばすには、せめて搭載機材だけでも飛行実績のあるものにすべきだったと反省しています。

ループの頂点あたりから飛行機の挙動がおかしく(ロールに入ったように)なったことについて、原因究明に関する貴重なアドバイスを数人の方から頂きました。
今回の機体は翼端部で約2度の捻じり下げをつけてあります。この捻じり下げは通常の飛行機の水平尾翼の役割を果たし、水平尾翼の取付角がアップになっているのと同じだということです。考えてみると、エレボンがほとんどアップになっていないのに上昇飛行をしていったのは、この翼端捻じり下げによる水平尾翼アップと同じ効果によるものと判断しました。
もちろん捻じり下げによる翼端失速防止効果もあるようです。浅学ゆえに、失速したのなら翼端の捻じり下げをもう少し増やしてあげれば防げるだろうと思っていましたが、捻じり下げは背面時には捻じり上げとなり、とたんに失速しやすくなるということです。そこで、捻じり下げを減らすことにしました。幸い翼はフィルムによる強度依存が大きいので、アイロンによる捻じり下げの調整は比較的簡単にできます。全く捻じり下げがなくてもいいのではとのアドバイスもいただきました。翼端に垂直尾翼が接着されているので捻じり下げがどの程度ついているかの判断が明確にできず、捻じり上げになってしまうのも恐いので、わずかに捻じり下げがついているかな?という程度に直しました。

重心位置については大きな問題はなさそうですが、現在の CG 21% を 20% ぐらいまで持っていってのテストもしてみたいと思っています。 1% の違いは今回の機体で 1.6mm とわずかです。無尾翼機の重心位置はミリ単位で調整するほど微妙だという話も聞いています。
また、重心位置から遠い位置に重量物であるモーター、電池等が搭載されている関係から、モーターの プロペラ推力が重心から遠い位置で変化するための影響があるのではとのご意見も頂きました。

いずれにしても、まだまだ不安要素の多い状況での再飛行となったわけです。
捻じり下げを減らした分エレボンを送信機側のエレベータートリムで 3 コマほどアップセットしました。とりあえず重心位置は前回の CG 21% のままで...。

再飛行テストは失敗でした。手投げ後、急激に機首が上向きになってしまったので、とりあえずダウンでおさえました。その後、トリムダウンで調整しようとしましたが、 1 コマ 2 コマの調節程度では間に合わず墜落してしまいました。捻じり下げを減らした分としてエレボントリムを 3 コマアップセットしたという安易な設定がいけなかったようです。捻じり下げを減らした状態でモーターを降ろし、再度グライドテストを 行うべきでした。あとの祭りです。幸い主翼は無傷だったので修復は可能です。また、いままで比較的スローで飛ぶ飛行機が多かったので、舵角も無意識に設定していましたが、今回の機体の舵角が大きすぎるとのアドバイスもいただきました。
急遽修理をし、舵角も減らしました。モーターを外した状態で、海岸で再度グライドテストを行いました。 ここでも、また失敗をしてしまいました。グライドテストはエレボンを調整した結果とてもいい状態になりましたが、調子にのってHLGのつもりで何度も手投げした結果、防砂のための垣根にぶつけてしまいました。今度は中央部プランク部分を破損してしまい、ちょっと厄介な修理になってしまいました。

何とか修理も完了し、モーターランによる飛行テストが行える状態になりました。
グライドテスト時のトリムセットを維持してのフルパワーによる手投げ発進を行いました。とてもいい状態で上昇していきました。若干エレボンがアップ気味に感じたのでスロットルをやや絞り、エレベータートリムを2コマほどダウンセットして水平飛行する状態になりました。再びフルスロットルにしての直進飛行、失速に気をつけながらの旋回、上昇等を何回か行いました。その後、中スローでの直進、旋回飛行でも問題はなかったのですが、ある角度を超える上昇姿勢になったとき、スピードが落ちたためなのか失速の兆候が現れました。今回はある程度高度を確保していたので問題なく回復しましたが、後退角のついた飛行機はとても失速しやすいということなので、ある程度のスピードを確保した飛行が必要なようです。また今回の飛行スピードは、捻じり下げをほとんどなくしたことによるためか、回りの人から「速いな〜」という声が聞こえました。緊張して飛ばしているせいか機体の飛行姿勢に気をとられ、それほどスピードが出ているとは思いませんでした。予めタイマーを 5 分にセットしてありましたが、モーターラン 5 分 40 秒での着陸となりました。
かなり気を使っての飛行でしたが、 3 度目にしてやっと後退角無尾翼機の飛行に成功しました。あとで回りの人から「とても速いスピードで飛んでいたよ」という話を聞き、「ある程度のスピードで飛ぶ」という目標も達成できたと思います。とりあえずほっとしました。

前夜に充電しておいた 7x600AE 電池での飛行でしたが、電池残量が 150mAh ほどありました。このことから、 7 分ぐらいは飛行できそうです。

これから飛ばし込んでいろいろデーターを集め、次の無尾翼機への足がかりにしたいと思います。


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