無尾翼スポーツ機の初飛行

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台風 4 号が近づいていて暗雲垂れ込める中、初飛行をおこないましたが...


軽量に仕上がったことで、翼面荷重も当初より少なくなりました。
翼面荷重が少ないということはスピードが出ないことにもつながるのではないでしょうか。 少々心配ではあります。翼厚 9% とある程度薄いので程々のスピードが出るのでは?と思ったりもします。
ダウンスラスト、サイドスラストは大丈夫だろうか、セットした舵角は適切だろうか、受信機はちゃんと働いてくれるだろうか?いろいろな思いが脳裏をよぎります。

Indoor 2000 受信機のアンテナ線を延長したことでもあるので、初飛行の前に送信機のアンテナを縮めて距離テストを行いました。思ったほど距離が伸びません。送信機によっても差があるでしょうし、地上でのテストは感覚的な要素が大きいので何m届いたから大丈夫というものでもないと思います。 Futaba R113F 受信機の距離テストではいやになるほど遠くまでいってもちゃんと動作していました。ところが Indoor 2000 受信機では、え!もう効かないの?という感じでした。でもそれほど遠くへ飛ばすわけでもないし、送信機のアンテナを伸ばせば飛躍的に通達距離は伸びるはずだし、実際飛行時の距離テストの方法として「モーターを上昇旋回可能な程度で回し、少しずつ高度を上げていき、サーボの挙動に影響が出始めたらスロットルを絞る。高度が下がったらサーボが正常に動作するようになるだろうからコントロールしながら着陸させる」という方法を考えてあるので大丈夫だろうと判断しました。

台風 4 号が接近中のどんよりした曇り空の下、湿度の高い無風状態での初飛行となりました。
今回も、グライドテストではいい結果が出たものの、無尾翼機ということでやはり緊張します。
いつもの大岩君に手投げをお願いしました。あっけなく素直に上昇していきました。ちょっとエレベーターがアップ気味なのでトリムで調整。なかなか安定した飛行です。ゆるやかに左旋回、とても素直な旋回です。何回か旋回したあと、受信機の通達距離を知るために旋回しながら少し上空にあげてみました。 100m も離れていないのに、旋回上昇させているうちにサーボがピクついて機体がぐらっと傾きます。受信機がモーターのノイズを拾っているようです。急いで高度を下げました。何度か上空に上げてみましたがやはりある高度に達するとノイズで乱れます。どうもこの Indoor 2000 受信機、屋外でモーターを回しながら飛ばすのには無理がありそうです。
スロットル 70% 程度での飛行ですが、それ以外は素直な飛びです。フルスロットルにもしてみましたが思ったほどスピードは出ません。程々のスピードといった感じです。
ループに入れてみました。ループの頂点を超えたあたりで機体の挙動がおかしくなります。もう一度ループに入れてみましたがやはり同じです。どうも失速しているようです。低めで 3 度目のループを行いました。やはり頂点をこえたあたりで機体の挙動がおかしくなり、慌ててスロットルスローにして立て直す操作を行いましたが舵が効かず墜落してしまいました。

前縁材が折れてモーターもマウントごと飛んでしまいました。胴体にもひびがはいりました。幸い修理可能な範囲の破損ですみました。
原因は、モーターコントロール以外舵が効かなかったので、やはり失速のようです。失速したとすると重心 21%(CG) でもまだうしろ過ぎなんだろうか。翼端捻じり下げの角度ももう少し多くしてあげる必要があるんだろうか。どうも無尾翼機となるとわからないことが多くいろいろな面で悩んでしまいます。それなら普通の飛行機でも作ればいいと思いますが、これまた変わったものが好きな性分なんですね。

Indoor 2000 受信機は、比較的近くで飛行させるとはいえ 400 クラスモーターを搭載した場合、 Indoor-plane と比較してかなりモーターに流す電流が多いのでモーターノイズを拾いやすく、屋外での使用は無理と判断しました。もう少し小型のモーターで飛ばせる電動機かモーターを載せないハンドランチグライダーなら問題無く使えるのかも知れません。

機体は早速修理しました。受信機は Futaba R113F に替えることにしました。この受信機はケースを外してもコネクターの向きが違うので、今回の機体にはそのまま積むことができません。そこで、コネクターとクリスタルソケットの向きを変更しました。この改造は飯島さんの R113ip の改造記事を参考にさせてもらいました。ついでに一番背の高い電解コンデンサも寝かせ、透明チューブで受信機をシュリンクしました。なんと厚さ 13mm と薄くなりました。主翼の中にアンテナ線を通して受信機を主翼中央部に両面スポンジテープで貼り付けました。

もう一度重心位置、翼端の捻じり下げ等を検討して次の飛行に備えたいと思います。


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