無尾翼スポーツ機の完成

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後退角のついた無尾翼スポーツ機が 350g という驚異的な(大袈裟な...)軽さで出来上がりました


カラーリングで悩みましたが、今回は主翼前縁側と後縁側のフィルムの色を変えることで新鮮さを出してみました。
完成重量は全備重量 390g の目標に対し、 350g と今までにない軽さで仕上がりました。快挙(?)です。
この軽さが実現できたのも大変軽量な機材が出てきたおかげです。電池の重さが実に 40% を占めています。 軽量な電池が出るといいなと、軽量化への要求はエスカレートするばかりです。

当初搭載を予定していたスピコン slim-18be は、手持ちの関係から slim-24be に変更しました。 このスピコンは少しでも軽くするために、受信機に接続する BEC ケーブルを半分の 150mm に縮めました。 モーターへの接続ケーブルもぎりぎり短くし、厚手のシュリンクも剥がして、動力電池に使われる透明シュリンクチューブで保護し直しました。ロッキーコネクターオスを含んだ重量 15g 、 slim-18be の 14g とそう変わらない重さになりました。ケーブル類の重さも無視できません。

受信機のアンテナ線は予定通り翼の中に通しました。翼の中ほどまでにしか達しません。そこで、アンテナ線を翼端まで延長して受信感度のアップを図りました。もとの長さ 36cm に 18cm のリード線を半田付けして 54cm とし、翼端にアンテナの端が出る長さにしました。アンテナコアを調整してマッチングをとりました。翼のバランスを取るために反対側の翼端に画鋲を一つ貼り付けました。

搭載機材の重量を改めて表にまとめてみました。

Mabuchi 380PH モーター(7.2V)取付金具とも

約 77g

aero-nauto 6x3 折りペラ

約 10g

schulze slim-24be スピコン(改造)+ロッキーコネクターオス

約 15g

Indoor 2000 受信機

約 9g

ウルトラマイクロサーボ 2 個

約 19g

7x600AE 電池

約 140g

搭載機材合計

約 270g

機体フィルム貼り完成

約 80g

全備重量

約 350g

 

350g と 400g を大きく切った電動飛行機の完成には大きな意義があります。それは Astro 020 モーターの 7 セル時、 APC 5.7x3 ペラ使用でダイレクトドライブ時の静止推力がほぼ 400g あるからで、 APC 6x2 ペラ使用時では 440g もの静止推力があります。このモーターを搭載すれば、垂直ホバリングも夢ではなくなる可能性がでてきました。
Astro 020 モーターは 6x3 カーボン折りペラと専用スピコンを含めて 100g 。今回の無尾翼機の 380PH モーターと 6x3 カーボン折りペラと slim-24be(改造) の組み合わせで 102g ですから...。
Astro 020 をこの機体に積むかどうかは別にして、モーターの推力より軽い機体が作れるという、電動飛行機にとってすばらしい環境が整ってきました。今後が楽しみです。

最後まで残っていた電池の固定方法は画像のようになりました。胴体内側から 1.6mm 航空ベニヤを突き出し、電池挿入後輪ゴムで止めます。もちろん電池の前方向へのストッパーはバルサブロックですでに加工済みです。

折りペラが滑空風圧で折れないように、ペラとホルダーの隙間に適当な大きさに加工した 1mm 厚ほどのゴムシートを挟みました。

グライドテストのために、モーターを外し、受信機用の電池を搭載して重心位置を合わせます。グライドテスト時の重量が 140g となり、翼面荷重約 11g でのグライドテストとなります。翼幅が 800mm ありますが、今話題のモスキートクラスの HLG といった感じでしょうか。いつもの辻堂海岸でグライドテストを行いたいと思いますが、いまは海水浴シーズン真っ只中。朝 5 時起きでも人が多そうです。辻堂海岸は遊泳禁止なんですけどね...。無尾翼ファンフライ機のグライドテストのときは 50 回ほど手なげし、胴体下面、主翼下面に無数の傷がついてしまいました。今回は予め胴体下面にビニールテープを貼っておきます。主翼の中に砂が入らないようにしないといけません。いずれの機体も翼内部の通気のために小さな穴を開けてありますが、なぜかその穴から砂が入ってしまいます。今回はサーボが翼下面についていて開放状態なので特に砂が入りやすい構造です。前作無尾翼機の経験から、重心位置を 21%(CG) に置きグライドテストを行います。 エレボンのトリムをややアップセットでグライドテストを行います。

ということで、今回も朝 5 時起きで辻堂海岸へグライドテストに出かけました。比較的人影も少なく、ごく弱い北風ですがグライドテストをするには問題なさそうです。すでに重心位置を 21%(CG) に合わせてあるので、早速江ノ島に向かって手投げ。すばらしいグライドです。この一瞬で飛ぶと確信しました。
前回の無尾翼機ではエレボンをややアップセットで水平飛行していました。その経験から今回もエレボンを少しアップ気味にセットして手投げしました。なかなかいいグライドではありますが、エレボンセットが多少アップ過ぎる感があります。トリムダウンで、エレボンを含む翼断面形状を、ほぼ翼型そのものの形状になるように戻したら、かなりいいグライドをしてくれました。ということは、 EH159 翼型そのもの(多少の変更あり)で安定飛行できることになります。翼取付け迎角 1 度、翼端捻じり下げ 2 度がつけてあるのでこのあたりの影響もあるとは思います。エレベーター、エルロンの反応をみるため 50 回以上のグライドテストを行いましたが、重心位置 21%(CG) はグライド状態を見る限り変更する必要がなさそうです。横安定も申し分ありません。いよいよモーターランによる初飛行を待つばかりです。どんな飛びをしてくれるだろうか?


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