通常小型の飛行機では軽量な電池を搭載してかなり過酷な電流で飛ばすということが多いのですが、今回の飛行機では E-Tec80 の電池を使って最大消費電流が 160mA と全く無理のない設定になっています。実際に飛ばしてみるとハーフスロットルで水平飛行ができたことから、 1C 程度で飛んでいると思われます。
こんなに小さな飛行機がこれほど効率よく飛んでくれるとは思いませんでした。 E-Tec80 のベンチテストでは初期に 330mA と約 3C で放電して電池電圧が 3.0V になるまでの容量が 78mAh ありました。 1C で飛行機が飛ぶことを考えると実容量はもっとありそうです。単純計算で 1 時間の飛行ができることになるでしょうか。すごいことになってきました。
今回の WD2 にはマグネットアクチュエータのドライブに FET を搭載した赤外線受信機を使いました。これは今まで Push-E に搭載していたものを降ろして載せたものです。マグネットアクチュエータをドライブする効率が飛躍的に良くなったので、今までより細い 0.04mm のワイヤを使ってコイルを巻いてみました。少しでも軽いマグネットアクチュエータを使ってどこまできちんと操舵できるかを試すのが目的です。 Push-E では 0.05mm のワイヤを使いましたが、 400 ターンで 60ohm でした。 0.04mm を使って同じサイズで巻いたコイルは 400 ターンで 100ohm になりました。マグネットには 3mmx3mm のものを使っています。
WD2 ではテールモーメントを 2.1 にしましたが、このテールモーメントとマグネットアクチュエータの必要トルクは密接に関係があります。一概にはいえないのですがテールモーメントが長いほどマグネットアクチュエーターの必要トルクは少なくなります。 WD2 を飛ばしてみた感触では大変小回りな旋回もでき、水平尾翼については片側のみを可動にしましたが、新たに作った軽量なマグネットアクチュエータでも十分なトルクを実感できました。
飛行中の主翼を注意深く観察してみましたが、それほどたわんでいませんでした。軽量化を追求した場合は少々強度過多のようです。もう少し薄く削っても大丈夫だと思われます。
以上が初飛行でのインプレッションですが、今後さらに軽量な飛行機を作る際の貴重なデータが得られました。 E-Tec80 の実力と飛行時間がもっと短くていいとなればモータユニットはかなり軽くできるでしょう。主翼の剛性はもう少し減らしても良さそうです。脚に使った 0.5mm のピアノ線ももっと細いものが使えそうです。マグネットアクチュエータのマグネットもサイズダウンできるかもしれません。