Indoor-plane A-1 2 号機完成

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胴体を巻き胴に変更するつもりが、全てを新しく作り直してしまいました
 2002 年 11 月 2 日に長野県松本市にあるやまびこドームで行われる飛行会に参加することにしました。ところが海抜が高いので平地での飛行に比べて飛行機が飛ばないということです。空気密度が低いからなのでしょうか。となると十分余裕のある推力を持たない A-1 ではうまく飛んでくれないことも考えられます。そこでこの機会に巻き胴に変更してできるだけ軽い機体に仕上げることにしました。

 巻き胴はすでに太さの違うものを何本か作りました。製作中の様子です。途中このようにマスキングテープを細く切って巻きつけて作りました。

 巻き胴化に伴い、垂直尾翼は前回の 1.5mm から 1mm のバルサに変更して作り直しました。。マグネットアクチュエータのコイルも新たに 120 オームのものを作り、マグネットも一回り小さい外径 4mm 厚さ 3mm のものに変更しました。水平尾翼は従来のものを使うつもりでいましたが、巻き胴へのうまい着脱方法がみつからないのと固定に使っていた輪ゴムの重さが馬鹿にならないので、こちらも 1mm バルサで新たに作り直したものを胴体に固定しました。ここまでやるなら主翼も作り直したいところですが、今回はとりあえず今までのものを使うことにします。

 皆さんからのアドバイスで垂直尾翼の取り付け方法を上向きに変更しました。これで着陸時の垂直尾翼の破損を心配しなくて済みます。

 モーターユニットは今までのものを使う予定でいましたが、飛行機が思いのほか軽くなる見通しがついたので新たに作ったユニット搭載しました。 5x2.5 のプロペラを装着し、初期推力は 10g とやや少ないのですが軽さが魅力です。モータはビットチャージーのオプションモータの中からマイクロビー 1.6 を選びました。 6x3 プロペラを装着する省電力タイプのモータユニットも別に用意しました。こちらは使わなくなった携帯電話から外したモータを使っています。

 モータユニットの載せ替えが簡単にできるように、新たにマグネットキャッチ方式を採用しています。マグネットキャッチは直径 3mm 厚さ 0.6mm のマグネットを厚さ 0.4mm の航空ベニヤに 9mm の間隔で埋め込んであります。ずれ防止のためマグネットキャッチのセンターに 0.7mm のカーボンロッドを埋め込みました。吸着時にお互いの航空ベニヤ同士が接触するようにマグネットはわずかに凹ませてセットしてあります。

 車輪がないのでハンドキャッチを基本に考えています。しかしいつも確実にハンドキャッチできるとは限りません。マグネットキャッチ方式を採用することで着陸時の衝撃を和らげることができるのではないかと考えました。

 巻き胴に変更した A-1 は今までの主翼を装着して 16.6g まで軽くなりました。翼面荷重も 3.7g/dm2 になりました。ここで切り上げればよかったのですが、やまびこドームまでまだ時間があります。そこでもう少し軽くできないかと欲を出し、主翼も新たに作り直すことにしました。これで A-1 を新たにもう 1 機作るのと同じになってしまいました。

 主翼は前から作り直すつもりだったので、予め 1mm バルサ 2 枚重ねのリブを作ってありました。せっかく新たに作るわけですから今までより軽くなければ意味がありません。飛行機の重量も当初の 30.7g から大幅に軽くなってきていることを考えると今までよもりスリムな材料で組み立てても問題なさそうです。

 1 号機の主翼は 4.3g あります。できれば 3g ぐらいで仕上げたいところです。リブは簡易スリットカッタ(カッタナイフの刃を 2mm バルサを挟んで 2 枚重ねたもの)で 2mm 幅に切り出しました。1号機のキャンバは 4.5% でしたが 2 号機は 7% にしました。主翼の前後縁材には 2mm のバルサを使っていますが、思い切って幅を狭くしました。パイロン材料も含めて切り出した材料は 3.1g になりました。材料のたわみ具合を確かめながらさらに削りこんで生地完成で 2.3g まで軽くしました。フィルムが 0.1g 、フィルムの接着剤が 0.2g で主翼は 2.6g で完成しました。

 最後の追い込みで受信機を軽量化しました。SHR-RX72-PRO を RX5-2.3 と同様の改造をしたのです。なんとマグネットネットアクチュエータドライバとスピードコントローラを一緒にして 2.3g と軽量な受信機ができました。機体に搭載するとこんな感じになります。

 140mAh Li-Polymer 電池でテストしていて問題が発生しました。 5 分ほど回し続けるとモータが息つきを始めました。電池のレギュレーションが悪く、受信機が動作する電圧を下回ってしまうことが原因でした。そこで DC-DC コンバータを組み込んで 受信機に 5V を供給できるように改善しました。モーターの息つきも全くなくなり、マグネットアクチュエータのトルクも飛躍的に増えました。電池電圧末期まで確実に 5V の電圧が受信機に供給されるようになりました。 80cm あったアンテナ線を 50cm まで切り詰めましたが、これで通達距離の心配もなくなりました。

 こうして新たな A-1 2 号機が完成しました。苦労の甲斐あってかつてない軽さで仕上げることができました。翼面荷重も 3.2g/dm2 と軽量です。やまびこドームで初飛行をしたいと思っています。

Model A-1 A-1 No.2
翼幅 Wingspan 473mm
全長 Length 495mm
翼面積 Wing area 4.47dm2
全備重量 Weight 21g (0.74oz) 14.2g (0.5oz)
翼面荷重 Wing loading 4.7g/dm2 3.2g/dm2
最大静止推力
Max thrust
13g (at 0.3A) 10g (at 0.32A)
受信機
Receiver
RX5-2.3 Mod.
(include magnet actuator driver with BEC)
3g
SHR-RX72-PRO Mod.
(include magnet actuator driver with BEC and DC/DC converter)
2.3g
アクチュエータコイル
Actuator coil
Hand made 170ohms
0.45g
Hand made 120ohms
0.3g
アクチュエータマグネット
Actuator magnet
Neodymium 5mm(D) x 3mm(H)
0.45g
Neodymium 4mm(D) x 3mm(H)
0.3g
モータユニット
Propulsion unit
Brush pager motor (9:1)
3.8g
BitcharG Microbee 1.6 (9:1)
2.3g
プロペラ
Propeller (Hand made)
Balsa prop. 8x4
0.6g
Balsa prop. 5x2.5
0.3g
電池 Battery 140mAh Li-Polymer 4g
飛行機重量
Air frame
(Wing 4.3g, Fuselage 2.9g, tail 0.8g + 0.3g)
8.3g
(Wing 2.6g, Fuselage 1.3g, tail 0.5g + 0.2g)
4.6g
その他 Other 0.4g 0.1g


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2002/10/25 inserted by FC2 system