Indoor-plane 機材の検討

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本格的に Indoor-plane を作るために軽量な機材について検討してみます。
体育館を継続して利用できるというすばらしい環境が得られたので、本格的な Indoor-plane を作ってみようと思います。
それには今まで以上に軽量な機材の調達が必要になります。また、機体の構造も出来るだけ軽く仕上げる 工夫が必要になってきます。

今までは Outdoor でも飛ばせるようにと考えて作った機体なので、 Indoor-plane として捉えた場合は 強度過多になってしまいます。そこで、今回は Indoor Flight に徹した超低翼面荷重の軽量な飛行機製作を考えてみます。

SlowFly Mini-plane 3 号機では、電池 37% 、ほかの搭載機材 40% 、機体 23% という重量の割合でした。大半を占める重量は搭載機材にかかってきます。 限られた予算から、すべての機材を超軽量なものにすることはできません。 そうはいうものの今まで使用してきた機材をそのまま使ったのでは大幅に軽くすることは困難です。 軽量化するためにある程度の投資は覚悟しなければなりません。

Indoor-plane の翼面荷重は一般に 5g 前後の機体が多いようです。今回作る機体も 5-6g を目標にしてみます。

まず搭載機材の中で一番重いのが電池です。
Keyence のモーターを使う場合、6 セル以上の使用は難しく、使用ペラとギヤ比に相当の工夫が必要に なります。 現在使用している電池の中で一番軽いのが 120mAh の筒型ニッカド電池です。単セルで 6g 。 6 セルでケーブル、コネクターを含めると 38g ほどになります。およそ 4-5 分程度の飛行が可能です。 実験の結果、 5 セルでの使用も可能と思われます。しかし、オートカットの関係から使用するスピコンを 選ぶ必要があります。今まで使用してきた slim-8e は 5 セルでも使用可能ですが、その場合は オートカットが早めに働いてしまいます。 slim-8e のオートカットが働く電圧を実際に測ってみたら 4.8V 付近でした。
オートカットのないスピコンを使えばこの辺りの問題は解決できそうです。 120mAh の電池は内部抵抗も高く、モーターのパワーダウンから電池終盤を予測できるので、インドアでの飛行ではそれからスロットルを絞っても問題ないと思われます。
5セルで問題なければこれだけで 6g は軽くなります。

50mAh の電池を使うことも考えられます。こちらは単セルで 3.6g 。単純に 6 セルで 22g という計算になりますが、実際にテストしていないので何ともいえません。小型ながら比較的多めの電流で回す Keyence のモーターでは無理ではないかと思います。機会があれば実験したいと思います。

欧米では最近充電式の Lithium 電池が Indoor-plane に使われ始めました。 電池はイスラエル製で、単セルの電圧は 3V 。単 3 形で 800mAh 、単 3 の 2/3 サイズのもので 430mAh の容量があり、連続放電電流は 1A 流せます。 2 セルで 6V 、 3 セルで 9V になります。タイトル画像はテストのために 3x430mAh の Tadiran Lithium 電池を仮組みしたものです。 1A 以下で飛行する Indoor-plane には軽量大容量といいことずくめです。ニッカドのようにメモリー効果もないので使い終わったら放電する必要もありません。 前者の電池は単セルで 17g 。 3 セル満充電で Indoor-plane が 2 時間も飛ぶというから驚きです。 後者の電池は単セルで 12g と軽いので Indoor-plane にもよさそうです。こちらも 3 セル満充電で 40 分以上の飛行ができるということです。
難点は電池の価格が高いのと、急速充電が出来ません。前者で 13 時間、後者で 7 時間の充電時間が必要 です。 電池の電圧管理に少々注意が必要のようですが、 1 セルから 3 セルまでの電池が簡単に充電できる小型軽量な充電器が WES-Technik から発売されています。充電は前もってしておけば、長時間の飛行が可能なので、飛行場所まで重たい親バッテリーと充電器を持っていかなくて済む利点もあります。

Indoor-plane でもっとも多く使われているモーターに、 WES-Technik の DC5-2.4 というコアレスモーターがあります。 Keyence のモーターとほぼ同じ大きさで、ギヤダウンで使われますが、 8x50mAh 電池で 7 分ほどの飛行が可能というほど効率の良いモーターです。 Keyence のモーターも頼もしいパワーがありますが、この WES のモーターも一度は使ってみたいモーターです。しかし日本で調達するとカーボンペラとの組み合わせで 14500 円にもなります。 これではちょっと手が出ませんね。プロペラは自作するとしてもモーターギヤセットが 8500 円。 う〜ん!それにしても高い。といいながらとうとう買ってしまいました。 詳しくは「技術情報」をご覧下さい。

次に受信機です。現在手持ちの受信機の中で最も軽いのが Indoor 2000 で約 10g 、 次が REX4 で約 12g 。価格はどちらも 9 千円から 1 万円。 REX4 はケースを外せば 10g 位になります。 Futaba R113F もケースを外せば 12g と軽い部類に入り、価格、性能では前者を上回っています。 市販されている受信機の中で、今まで最も軽いといわれていた CETO が 6.75g 。ケース、コネクターを 外せば 4g ほどになるということです。この受信機はまだ実際に見たことがありません。 ところがごく最近、 1.9g という信じがたい受信機が発売されました。 JST コネクタ(マイクロコネクタ)付き 4 チャンネルでも 2.1g しかありません。 幅 26mm 、奥行き 13.3mm 、高さ 7.6mm とサイズも超小型です。値段は日本円で 13000 円程と少々高くなります。通達距離は 180m ほど。 72MHz 帯の FM 受信機で 11-60 チャンネルの 50 バンドあり、日本でのバンドが含まれているので 72MHz の送信機をそのまま使うことが出来ます。 詳細は「技術情報」をご覧下さい。

サーボ。最も軽量なのが WES-Techink の 2.4g リニアサーボ。しかし日本での 1 個 12000 円は高すぎます。 6g サーボの 3 倍以上とは...。いずれは欲しいですね。といいながらこちらも調達してしまいました。 2.4g を注文したのになぜか 3g のサーボが届きました。

スピコンは 1g を切るものもあります。今のところ slim-8e (本体のみで 1.3g)を使う予定でいますが、前述したようにニッカド 5 セルで使用した場合は 6V 程度と電圧が低いので、早めにオートカットが働いてしまいます。電池のセル数を減らして少しでも軽くし、大き目のプロペラで推力を稼ごうとした場合には、 オートカットのないスピコンのほうがよさそうです。

プロペラ。これはいままで FRP での製作経験を生かして自作します。軽さに徹するならガラスクロスを使った 9"x5" のプロペラでも 3g 以下でできます。できればカーボンクロスで作りたいところです。

機体。前回の機体は 24g でできました。さらに軽量化を目指します。とはいっても、翼面積が大きくなるのでなかなか難しいとは思います。

被覆フィルム。サランラップはなによりも安いのが魅力です。 0.21g/dm2 と比較的軽いのですが、前回の機体でのフィルム重量約 3g は Indoor-plane にとってかなりの重さになります。 最近はかなり軽量なフィルムも出回っているので、軽量フィルムの使用も考えてみます。 WES に 0.022g/dm2 と超軽量なフィルムもあり、前回の機体の翼に貼った場合の試算でなんと 0.3g 以下という軽さで仕上げることができます。

コネクターも小型軽量な JST コネクター(マイクロコネクター)に替えます。

1g でも軽く仕上げるにはそれなりの投資と工夫が必要になってきます。そこで、少しでも投資を抑えるために、高額な機材はインターネットによる個人輸入で調達することにしました。またそうしないと手に入らない機材もあります。
余談ですが WES のDC5-2.4 モーターは日本製です。私はカナダから取り寄せたので、日本→ドイツ→カナダ→日本と一周したことになります。また、 WES の超軽量サーボに使われているモーターも日本製です。何とも複雑な心境です。

使用予定機材は SHR-RX72 受信機 2.1g 、 WES 3g サーボ 2 個 6g 、 WES DC5-2.4 モーターセット 12g 、 Tadiran Lithium 電池 3 個 37g 、 slim-8e スピコン 3g 、自作ペラ 3g 。合計で約 63g になります。全備重量をできれば 93g ぐらいで仕上げたいと思っています。 その場合、翼面積は 16dm あれば翼面荷重 6g/dm2 を実現できます。 いつも計算が甘く、予定重量をすぐにオーバーしてしまいます。

とりあえず、換装できそうな機材は SlowFly Mini-plane 3 号機に載せ替えてみて、性能チェックを しながら Indoor-plane の設計をしてみたいと思います。


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