Indoor-plane "FunFan" の完成

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Aerobatics を想定したはじめての Indoor-plane が出来あがりました。
初めてコアレスモーターでの飛行を経験しましたが、その効率の良さに驚かされました。 今回の飛行機の動力にも同じコアレスモーターを使ってみました。ギヤ比も 8:1 と同じですが、今回はモーター単体を調達してギヤユニットを作ってみました。
ベアリング受けは秋葉原で購入した外径 6mm 内径 3mm 長さ 15mm の、基板等を支持するプラスチックスペーサーで、両側から 5mm ドリルで穴を広げてベアリングをはめ込みました。 ピニオンは WES の 6 枚歯(内径 1mm)です。コアレスモーターでは特別な方法でないと圧入は難しいと聞いていたので、少し心配でしたが、ピニオンはコアレスモーターのシャフトに緩く入りました。そこでどのように止めたらいいか考えた末、ボンドサイレックスをシャフトに少量塗ってピニオンを押し込んでみました。翌日ギヤユニットを組み立ててプロペラを装着し、電源ユニットにつないで回してみましたが問題ないようです。
後になってこのモーターの製造元がわかり、早速ピニオンギヤの取り付け方法を聞いてみました。セメダイン EP171 という嫌気性の接着剤を使うといいということでした。市販されているそうです。ヘリに使う嫌気性ねじロックでもいいかもしれません。次の機会に試してみようと思います。

機体への取り付けは、 Aerobatics 機ということでサイドスラスト、ダウンスラストともにつけていません。厳密に言えば翼面から 22mm 高い位置にプロペラ軸があるので若干のダウンスラスト効果が あるかもしれません。サイドスラストは Mini-plane 3 号機でもつけなかったのですが、比較的大きなプロペラを回しているためか離陸時にかなり左にとられました。今回も影響が大きければミキシング等で調整してみたいと思います。

スピコンは WES から調達した、ケーブルを含む重量が 1.8g の Micro 6 。オートカットの働かないスピコンのつもりで取り寄せましたが、電源電圧が 5V になったらモーターへの出力を 20% に減じ、4-8 秒後にモーターをカットすると説明書にありました。 Mini-plane 3 号機ではモーターカットでプロペラが急に止まると、機体の姿勢が大きく崩れてどういうわけかうまく滑空してくれません。比較的低い高度で飛行させることの多い Indoor-plane ではリカバリーが難しいのです。そこでオートカットのないスピコンを探していたわけです。 電池がなくなってくればモーターのパワーからすぐにわかります。そうしたら自分の意志で着陸させればいいわけですから...。 でも 20% になるなら突然止まるよりいいかもしれません。まあ使ってみないとなんともいえません。

今回はモーターとスピコンとの距離が 180mm も離れているので、この長いケーブルによるノイズでの誤動作が心配です。胴体が長いのとサーボが動翼に近いためこのような結果になりました。前回と同様ノイズキラーのコンデンサーもつけていません。心配なのでモーターからスピコンへのケーブルのツイストを密にしてみました。

何といっても超軽量フィルムをリブのない主翼に貼るのが大変でした。大きな面積でしわをとろうと引っ張ると、ちょっとの不注意ですぐに切れてしまいます。また、アイロンをかけて適度にシュリンクさせましたが、面積が大きいのとフィルムの薄さからちょっと張りが弱いような気もします。垂直尾翼だけ両面にフィルムを貼りました。サーボリンケージ、受信機の搭載等の作業中にフィルムのあちこちに傷をつけてしまい、テープで補修しました。

前回体育館に向かう車内で Mini-plane 2 号機の主翼を破損してしまったため、新たに主翼を作り直しましたが、その翼に初めて WES の超軽量フィルムを貼ってみました。接着剤にスコッチ 77 を使い、比較的うまく貼ることができました。リブ間隔も 65mm なのでフィルムの強度にも不安はありません。 何といっても軽いのが魅力なので、貼るのに少々気を使いますが慣れれば問題ないと思います。

Tadiran Lithium 電池は機体に合わせて 3 本を直列に組み直し、マイクロコネクターに付け替えました。重心位置はこの電池の搭載位置を前後に移動して調整できるようにしました。 8x50mAh 電池搭載時の配慮もしてあります。
受信機は高価なので Mini-plane 3 号機から外してきました。

今まで作った飛行機の中で一番簡単に作れた飛行機かもしれません。でも使用機材だけは高いものについています。いつも格好のよくない変わった飛行機を作ってきましたが、今回の飛行機もまた変わった形になりました。何かいい名前がないかずっと考えてきましたが、"FunFan" にしました。どうですぴったりでしょう。
持ち運びのことを考え、ありあわせのダンボールでキャリングケースを作ってみました。

さてこの "FunFan" 久々に予定重量より軽く仕上がりました。 Tadiran Lithium 電池を搭載した時の全備重量が 92g 。図らずも 3xTadiran 時の推力と同じになりました。 実効翼面荷重で 4.6g/dm2 。翼面積全体で計算すると翼面荷重 3.8g/dm2 ということになります。
サーボと動翼とのリンケージは、サーボをニュートラルに合わせておき、 0.5mm のピアノ線で加工したフックをホーン穴に差込んで動翼のニュートラルを確認しながらカーボンロッドに沿わせてポリエステル糸を巻き、瞬間接着剤で固定しました。 仕上がり各部の強度を見る限りとても弱い感じです。ランディングギヤも貧弱です。エレボン面積も多く舵角も大きい設定なので、 3g サーボはしゃかしゃかと動きますが、分解能は荒い感じです。
サーボのストロークに限界があるので、舵角を大きくとるにはホーンの支点からの距離を狭くするしかなく、リンケージの遊びはできるだけ少なくなるように心がけました。ヒンジにはクリアテープを使っています。
いろいろ気になることの多い初めての Indoor-plane 1 号機、果たしてちゃんと飛んでくれるんでしょうか。

"FunFan" 緒元
翼幅 (Wingspan)

600mm (23.6")

全長 (Length)

530mm (21")

翼面積 (Wing area)

24.5dm2

全備重量 (Weight)

92g

翼面荷重 (Wing load)

3.8g/dm2

使用電池 (Battery)

3x430mAh Tadiran Lithium(38g)

受信機 (Receiver)

Sky Hooks SHR-RX72(2.1g)

サーボ (Servo)

WES LS3.0 x 2(3gx2)

モーターユニット (Motor)

WES DC5-2.4(8:1)(12g)

プロペラ (Propeller)

自作グラス 23cmx12cm (3.5g)

スピコン (ESC)

WES Micro 6 (ケーブル込みで 1.8g)

使用フィルム (Covering film)

WES 2.2g/m2(0.002mm)

機体のみの重量 (Structure weight)

28g

湘南スローフライヤークラブ第 2 回飛行会 1999 年 8 月 8 日(日) 12:00-15:00 に初飛行をを予定しています。Indoor-Plane に興味のある方、これから Indoor-plane を飛ばしてみたいと思っている方はメールをください。


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