Indoor-plane "FunFan" の軽量化

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すばらしい飛びを見せる "FunFan" 。更なる軽量化を図り 82.6g まで軽くすることができました。
 その後飛行を重ねましたが、軽いということが飛びに大きく影響していることを実感しました。そこで更なる軽量化に向けて改造を試みました。わずかでも軽くするため細部についての見直しです。

 自作カーボンプロペラの中で一番軽い 2.5g のプロペラを使っていましたが、更に軽い自作の 1.7g バルサプロペラに変更することで 0.8g 軽くすることができました。
 プロペラを留める輪ゴムの重さも気になります。直径 38mm のもの 7 本で 1g ありました。 1 本が 0.14g ほどになります。小さな輪ゴムがあればいいのですがなかなか見当たりません。半分に切って輪を作り、重量が半減しました。といってもほんのわずかの軽量化です。プロペラは軽く留っていればいいのです。
 電池を支えるため、胴体にベルクロテープが取り付けてあります。電池をずらして重心位置を調整できるようにとやや広めに貼り付けてあります。いったん飛ばして適切な重心位置が決まればほとんど動かす必要がないので、使わない部分のベルクロテープを切り取ってわずかながら軽量化しました。

 以上の改造で全備重量が 86g から 84.4g と 1.6g 軽量化できたのです。涙ぐましい努力です。

 この "FunFan" は 8:1 のギヤ比を使っています。 9x5 カーボンプロペラを取り付けて 8x50mAh Ni-Cd 電池で駆動するとフルパワーではやや過負荷気味です。 "FunFan2" ではギヤ比を 9:1 に変更してこの過負荷を低減しました。同じサイズのバルサプロペラではイナーシャが少なくなるためか同じ 8:1 のギヤ比でも電流値が少なくなります。それならばと 10x4 のバルサプロペラも削り出してみました。重量 1.8g 。インドアではそれほどスピードを必要としないので、できれば大径小ピッチのプロペラを使うほうが低速時の推力確保には有利です。翼幅 600mm の機体に 254mm のプロペラは異常に大きく見えますがイナーシャの少なさから飛行には意外と影響が少ないのです。

 実際の飛行はというと翼面荷重が 3.5g/dm2 を切る軽さのため非常に軽い飛びで、フルパワーでは薄っぺらな翼のためか意外と速く飛んでくれます。ロールレートが遅いので体育館の中ではロールから背面にいれたらすぐにそのまま旋回に移るといった場面が多くなります。ループは驚くほど小さいので、ループの頂点で背面飛行に移るほうが楽です。推重比は約 1.1 とわずかですが推力が重量を上回ります。今回ホバリングに挑戦してみましたが何とか空中で静止することができます。ただし、プロペラの反トルクの影響でエルロンスティックは右いっぱいに切っています。アップも引いていますがなかなか垂直には立ちません。プロペラのスラスト軸が重心点より上にあるためと考えられます。それでもトルクでロールします。天井の高さがそれほどないため、ホバリングも低い高度で行うことになり少々神経を使います。しかし機体が軽いので体制が崩れたときのリカバリーは意外と簡単です。まだまだ練習不足ですが、ローリングサークルにも挑戦したいですね。潮風アリーナなら天井も高いのでスピンもできるかな?と夢が膨らむほど飛ばしていてとても面白い飛行機なのです。

 そろそろ軽量化も限界か?と思っていたら、なんと 2.1g の受信機を手に入れることができました。以前 Sky Hooks の軽量な受信機を搭載していましたが、他チャンネルとの混信の心配から、同時飛行の多い体育館での飛行には安心して飛ばすことができませんでした。今回入手した受信機はこれだけ軽いにもかかわらず隣接バンドの影響をほとんど受けないという優れものです。 5 チャンネルですが 4 チャンネル分の JST コネクタがついています。フランス JMP 製 RX5-2.3 40MHz 受信機です。周波数が日本と異なるため X-tal は国内で調達することになります。すでに仲間が GWS のX-tal で動作を確認しているので、早速私も GWS の 77 バンド X-tal(0.3g) をセットしてみました。問題なく動作しました。アンテナも 49cm と比較的短めです。早速 GWS 改造受信機(4.5g) をこの受信機に載せ替えてみました。受信機にクリスタルを寝かせて取り付けたあとシュリンクチューブを被せてベルクロテープ小片を貼り付けました (2.5g) 。なんと全備重量が 82.6g まで軽くなりました。

 82.6g の "FunFan" はその後六会市民センター体育館でフライトしました。RX5-2.3 受信機の性能はすばらしいものでした。バレーコート一面と狭い体育館ですがループ、背面飛行、ホバリンも今までになく軽快にこなすことができました。面白いほど緩急自在な飛行が楽しめます。

 これから先の軽量化はかなり難しくなってきました。そこで次回は推力アップを図る方向でモーターユニットのギヤ比アップおよびプロペラの大径化を少し実験してみようと思います。

Indoor aerobatics "FunFan"
 

改造前

改造後

翼幅 (Wingspan)

600mm (23.6")

全長 (Length)

530mm (21")

翼面積 (Wing area)

24.5dm2

全備重量 (Weight)

86g (3oz)

82.6g (2.9oz)

翼面荷重 (Wing load)

3.5g/dm2

3.4g/dm2

使用電池 (Battery)

8x50mAh Ni-Cd (30g)

受信機 (Receiver)

GWS 4ch (Mod.) (4.6g)

JMP RX5-2.3 (2.5g)

サーボ (Servo)

Hitec HS-50 (Mod.) x 2 (@4.1g)

モーターユニット (Motor)

WES DC5-2.4(8:1) (12g)

プロペラ (Propeller)

Hand made carbon 23cmx12cm (2.5g)

Hand made balsa 23cmx12cm (1.7g)

スピコン (ESC)

WES Micro 6 (ケーブル込みで 2.1g)

使用フィルム (Covering film)

WES 2.2g/m2(0.002mm)

機体のみの重量 (Structure weight)

26.6g

26.1g


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