FunFly 3 の完成

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無尾翼の FunFly 3 号機が完成しました


私の家から辻堂海岸まで約 500m 。歩いて 7、8 分です。とても近いので何とか海岸でも飛ばせる機体をと考えたわけです。いつも出かける舟地蔵はどちらかというと北風の時の方が飛ばしやすい地形です。辻堂海岸は南風(海からの風)のときが飛ばしやすいと思います。早速辻堂海岸に出かけてグライドテストを行いました。

無尾翼機の場合わからないことがたくさんありますが、今回の翼の迎角は 1.5 度。モーターのダウンスラスト 1.5 度。とはいってもこの設定、基準になる水平尾翼がないのでどんなもんでしょうか?モーターのサイドスラスト 1.5 度。このモーターは Kyosho ギヤダウンユニットをフロントマウント方式に改造したものを使用しています。

グライドテストのためにモーターユニットを取り外し、スピンナー部分にゴムダンパーを両面テープで貼り付け、 100mAh のバッテリーを搭載しました。

モーター・ペラ・スピコンで約 127g 。電池が約 140g 。合計約 267g を降ろして、 100mAh の受信機用電池約 30g を載せると、重量は約 183g になりますが、重心位置調整のためのウエイトが必要なためもう少し重くなりました。
ウェイトを含むグライドテスト時の重量は 235g ほどになりました。翼面荷重は約 12g/dm2 となり、 HLG 並みの軽さでしょうか。

海岸で穏やかな風が期待できるのは早朝です。早起きの苦手な私ですが、朝 5 時に起きて辻堂海岸に出かけてみました。
この時期、この時間帯は、サーファーがいる程度でほとんど人影もなく絶好のグライドテスト日和です。

1/4 テスト模型で得た重心位置は前縁から約 CG 23% でした。とりあえずこの重心位置に合わせ、エレボンの後縁で 2mm ほどアップセットし、ほとんど無風の中、海に向かって軽く押し出してみました。最初の手投げではすとんと落ちてうまく滑空してくれませんでした。エレボンのアップトリムを少しずつ増やしながら心持ち強めに押し出してみました。今度はかなり良好なグライドです。
ほとんど風がないので、手投げ時の力の入れ具合をいろいろ変えてみました。やや上向きで力強く手投げをすると、多少ピッチング現象が見られます。何度かテストした末、ウェイトを少し増やして重心位置をやや前にしてみました。また、エレベータースティックがかなり敏感なので、 ATV でアップ側を 40% まで減らしてみました。重心位置 CG 22% にして何度も手投げテストをした結果、よい感触を得る事ができました。 最終的に、動翼の後縁で 5mm ほどアップセットした状態で、手投げによる最適なグライドとなりました。 防砂対策をしたつもりでしたが、 50 回近い着地で主翼の中にまで砂が入ってしまいました。 また、海岸の砂浜には結構障害物も多く主翼裏側に小さな穴が何個所もあいてしまい、胴体下面にはかなりのすり傷がついてしまいました。

その後モーターを積み込み、重心位置を合わせるために電池を搭載してみましたが、設計時の電池搭載予定位置より前の方に積まないと重心が合わなくなりました。受信機室と電池室の間にある胴枠が邪魔になってしまったので、胴枠の内側をかなり削って電池が中を通過できるように修正し、電池を少し前に積めるようにしました。電池搭載位置に合わせてベルクロを胴体の下部に貼り付けました。
重心位置設定後、 9x5 の CAMPROP を取付けて手持ちで回してみました。中速域までは比較的静かに回りますが高速域ではとてもやかましくどう見ても滑らかな回転とは思えない状態です。そこでモーターユニットを降ろして取り付け面に薄手のゴムシートを当て、取り付けナット側にもゴムワッシャーを当てて組み込んでみました。それでもかなりうるさい音がします。再度モーターユニットを降ろして、今度はギヤユニットに多少多めのグリスを塗布してみました。Kyosho のギヤユニット部の周りには防砂のための透明なブラ板を貼っておいたので、グリスの飛びはある程度防ぐことができそうです。今度は比較的静かな回転音になりました。

飛行時を想定し、中速域中心に数分間モーターを回したあとモーターの発熱状態を確認するために主翼を外し、上部ハッチを開けてみたらモーターがかなりの熱さになっていました。最初の見込みと大違いです。モーターの放熱を考えないと、とても安心して飛ばせそうにありません。そこでハッチ部を加工して空気取入口を設けることにしました。ただし、防砂ができなくなるのでモーターそのものの穴をセロテープでふさぎ砂がモーター内部に入りにくいようにして、ハッチ内に砂が入ってしまうのは我慢することにしました。
空気が抜けるための穴も垂直尾翼下部付近の胴体側面片側に設けました。

主翼を外して電池を搭載する構造のため、電池を搭載してから手投げまでの間にある程度の準備時間が必要になります。その間にスピコンをセットするための送信機側の操作も必要なので、安全のためとスピコンの動作を確実にするため、スピコンから受信機へ接続するケーブルの中間に電源スイッチを設けました。

空気取入口、電源スイッチ、胴体後部の空気抜け穴を設けたことにより、モーター周りのみの防砂対策となってしまいました。
海岸で飛ばせるようにするにはかなりの工夫がいるようです。海岸で電動機を飛ばされている方、どのような工夫をされているのか、お知恵をお貸しいただけるとありがたいのですが...。

ということで、今回の無尾翼機ではモーター放熱の問題、砂対策の問題、電池搭載位置の問題等、設計時の甘さが出てしまいました。

フィルムを貼る前の全備重量が 390g でした。オラライトの白と赤を貼り、フロントハッチの改造、電池搭載位置へのベルクロ取付け加工、電源スイッチの追加等で、完成全備重量は約 420g になりました。翼面荷重約 21g/dm2 になります。
この重量は設計時の予想重量と一致しました。内心はもう少し軽くできると思っていたのですが...。

いよいよ電動パワーによる飛行の準備が整いました。不安要素の多い無尾翼機ですが初飛行はどうなることやら...。


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