"micro-FunFan" 用プロペラの自作

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初めてバルサブロックからプロペラを削り出してみました。
30g 前後の飛行機に使われている代表的なプロペラが UNION の U-80 です。UNION のユニークなコンデンサプレーンに使われているプロペラです。 1mm シャフトに圧入できるようになっています。このプロペラと組み合わせてよい結果が得られるモーターはいまのところ種類が少なく 5g 前後のモーターで使えそうなものはというとコンデンサプレーンに使われているモーター、気球昇降用に使われている(N20AB)モーター、B2 ステルスに使われているモーターくらいでしょうか。

30g の飛行機では 10-15g ほどの推力がほしいところです。 U-80 のプロペラを 9000rpm 回したときの推力が約 13g ということですからこの程度の回転はほしいわけです。 N20AB モーターでは 3x50mAh Ni-Cd 電池で回したとき比較的初期に達成できる回転数です。 1x430mAh Tadiran 電池で安定時 7500rpm 、 2x50mAh 電池では 7000rpm ほどになります。推力はというと 7g ほどしかないのです。

3x50mAh Ni-Cd 電池なら U-80 プロペラで問題なく飛んでくれるわけですが、飛行時間を長くしたいために 1x430mAh Tadiran 電池の使用を考えると、電圧が低くなる事から同程度の推力を確保しようとするとモーターを替えるかプロペラを替える方法が考えられます。モーターはギヤダウン仕様の K&P の KP-00 ユニットがなかなかいいようです。鈴木さんが使ってかなりよい結果を得ています。しかし国内では今のところ調達できないのです。となればとりあえずプロペラサイズを大きくするかピッチを大きくするしかないと考え、自作してみることにしたわけです。横須賀のメンバーは当然のことのようにバルサから削りだしてプロペラを作る人が多く、その技術レベルの高さには常々感心してしまいます。いつかは自分でも作ってみたいと思っていました。製作技術においては比べるべくもありませんが今回小さなプロペラなので手始めに作ってみようと思います。

初めてバルサブロックからの削りだしです。以前ピーナッツスケールを手がけている久保さんからプロペラの作り方についての詳しい資料をいただいていたので参考にしました。
U-80 は 80mmx22mm ということなので、これよりも推力を少し大きくする必要から 83mmx40mm のバルサペラと 86mmx43mm のバルサペラを削り出してみました。幅 11mm 高さ 6mm 長さ 86mm のバルサブロックを切りだし、卓上ボール盤に 0.9mm のドリルをセットしてバルサブロックのセンターに穴をあけました。その後ブロックのセンター穴にモーターのシャフトを圧入して回してみました。なかなかいいまわり方をしています。いったんシャフトを抜き、穴に瞬間接着剤を流して再度シャフトを差し込み、穴周辺部の強化を図りました。いよいよブロックからの削りだしです。まず外形を整え、次に厚み方向の形を削りました。プロペラの作り方にある表から P/D 値 0.4 と 0.43 のプロペラ先端の傾斜角を印してカッターナイフで削り出しました。ここまでの話ではたいそうなことをやっているように思えますが、治具を作ったわけでもないのでかなりいいかげんな作り方といっていいでしょう。サンドペーパーで磨いて完成です。

早速手元にある DC5-2.4 モーターシャフトが 1mm なのでこのモーターにセットして回してみました。トラッキングのずれもなくなかなかいい感じで回ります。その後機体にセットして回してみたところ 1x430mAh Tadiran 電池で U-80 のとき 7500rpm に対してバルサ自作Aペラでは 7100rpm 、Bペラでは 6400rpm でした。あまりにも小さな推力なので測定することは困難ですが、基準にした U-80 に対して 83mm のプロペラで 5% 、86mm のプロペラで 15% ほど回転数が低いことから確実にピッチが大きくなっていると考えられます。電流は約 0.5-0.6A でした。プロペラの重量もプラスチックペラに比べてバルサなので比較にならないほど軽くできました。小さなモーターでダイレクトドライブする場合はプロペラの軽さも大きなメリットと考えられます。これで 1x430mAh Tadiran 電池使用時の推力アップが図れれば申し分ないのですが、結果は飛ばしてみないとなんとも言えません。飛ばしてみた結果から今後工夫を重ねていきたいと思います。


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