WES のサーボはリニアストロークなのでエルロンリンケージにちょっと工夫が必要です。翼端エルロンの駆動方式は昔懐かしいベルクランクです。小さなベルクランクは 0.4mm 航空ベニヤで作りました。コントロールロッドには 0.76mm のカーボンロッドを使います。主翼翼弦が 78mm しかないのでかなり狭いスペースに組み込む事になります。翼厚も 10mm しかありません。WES のサーボは構造上遊びが多く、ホーン穴も 0.5mm ピアノ線を使うと多少ガタがあります。そこで少しでもガタを少なくするため、ホーン穴は使わずにホーンそのものをコの字形に加工したピアノ線で挟むようにしてみました。狭い翼中央部での加工はかなり面倒です。
エルロン仕様への変更による重量の増加は免れません。主翼がほぼ生地完成というときに落として翼端を破損してしまいました。翼端を作り直してやれやれと思っていたら、中央に取り付けたサーボのモーターも脱落していました。中央プランクの一部を開口して瞬間接着剤でモーターを固定しなおしました。エルロン仕様なので主翼の上反角を以前より少なくしてみました。サーボを含む主翼生地完成で 10.1g です。
被覆フィルムはエアースパンを貼っていたのですが、シュリンク率が低く、時の経過とともにたるみが出てきます。初めて貼ったのでうまくいきません。インドアプレーンに使うフィルムとしては重い部類に属します。今回半分以下の重量のカラーフィルム MicroLite 5 ミクロン CUB YELLOW (0.1g/dm2) を貼ることにしました。胴体との色合いが少し変わってしまいますが仕方がありません。わずかですが軽量化できます。
フィルムも貼り終え、エルロン部分の切り出しと加工が完了し、エルロン仕様の主翼が完成しました。完成重量は 11.7g です。フィルム 0.8g 、糊重量 0.8g といったところでしょうか。もともと MicroLite にはあらかじめ接着剤がコーティングされているのですが、接着力が弱いので "Leichtfix" を薄めて全面に塗布してからアイロンで貼りました。糊の重さも馬鹿になりません。
このところ小型軽量飛行機の動力電池に Li-Ion 電池を使う機会が多くなってきました。そこで "PIPER CUB" も Li-Ion 電池を搭載することにしました。6x50mAh Ni-Cd 電池 (22.4g) を搭載していたのですが、手持ち最軽量の 2x320mAh Li-Ion 電池 (25.6g) を搭載できるようにしました。両者の電池電圧がほぼ同じなのでギヤ比はそのままでよさそうです。
Li-Ion 電池では長時間安定な供給電力が維持できるのではるかに優れています。プロペラも少し軽いゴム動力用のものに替えてみました。将来的にはもっと軽いファルカタ材でプロペラを作るつもりです。テストでは安定時、供給電流 0.82A 、供給電力 5.4W でした。
全備重量 80g のエルロン仕様 "PIPER CUB" が完成しました。主翼は前回同様少しねじり下げをつけました。