無尾翼スポーツ機の製作 2

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CAD ソフトによる原寸出力図からの主翼製作


翼の組み立て図面の片翼部分のみを、原寸大で CAD からプリントアウトしてみました。 A4 の用紙 2 枚に分けて出力できたので貼りあわせましたが、かなりの精度でプリントアウトできました。今回はその上で翼を組み立ててみました。手持ちのプリンターが A4 までしかプリントできないので、全体図を出力するには分割が多すぎて無理があります。
予め翼端部に捻じり下げ相当分のバルサブロックを当てておき、瞬間接着剤で各部の接着をしました。最終的にフィルムを貼るときに設定した捻じり下げになるように調整します。

今回の機体は「主翼に胴体を取り付ける」といった感覚でつくることにしました。本当は翼と胴体を一体にしてもよかったんですが、もしうまく飛んでくれたらモーターを替えるなどいろいろテストしたいと思い、別の胴体を取り付けることも考えて2本のネジで止めることにしました。前回も使用した Graupner の柔らかい樹脂製の 4mm ネジです。搭載機材を限定し、軽量化のため胴体幅もぎりぎりの寸法にしました。
搭載機材で最も厚みのあるバッテリーとベルクロの厚みを加え、胴体幅内寸を18.5mmとしました。 この内寸は FunFly 2 号機と同じです。

翼中央部下面に取り付ける台座で、胴体と 2 本のネジで止めることになります。この台座は 3mm のハードバルサで、主翼に取り付けたときに 1 度の迎角がつくように加工してあります。台座の幅は胴体の仕上がり幅に合わせてあります。

翼の前縁はプランクすべきかプランクしなくても大丈夫か迷った結果、軽量化を優先し、プランクしないことにしました。 9% の翼厚とアスペクトレシオが大きいことから翼のねじれ強度に多少の不安があります。しかし、いままでにもフィルムを貼った後の意外なほどの強度増加を経験しているので、今回も大丈夫だろうと考えました。プランクしない代わりに前縁にも 3x3 桧を使ってみました。

無尾翼機の場合、いつもアンテナ線の処理に困ります。 FunFly 3 号(無尾翼)機では、受信機のアンテナ線が 49cm と短く、垂直尾翼が胴体についていたので主翼上部から垂直尾翼上端にもっていくことでうまく処理できました。今回は垂直尾翼が両翼端にあるので、 Indoor 2000 の 36cm しかないアンテナ線でも処理に困ります。また、モーター、スピコン、バッテリー等からできるだけ離してあげないとノイズの影響も心配です。いろいろ考えた結果、主翼の中にアンテナ線を通すことにしました。もし、受信機が屋外での使用に不都合があった場合のことも考えておく必要がありそうです。代替え受信機として R113F を考えています。しかし、今回の胴体内幅は狭いのでそのままでは R113F を搭載することができません。サーボコネクターの取付け方向を 90 度曲げ、X-tal の向きも 90 度曲げる改造をしてケース無しで搭載することになります。 Indoor 2000 に比べ、重さで 3g ほどの増加になります。Pico 2000 受信機があればコネクターの向きが Indoor 2000 と一緒なので代替え受信機としては向いています。こちらはケース無しで 4g ほどの増加になります。

アンテナ線を主翼の中にどのようにして通すかが問題です。翼片側のリブすべてに 3mm ほどの穴を開け、翼端から細いピアの線を通して、翼中央部からアンテナ線に結び、ビアの線を引きぬいて翼の内部にアンテナ線を導入する方法にしました。
受信機は主翼に両面スポンジテープで固定します。主翼側に受信機を取り付ける方法は FunFly 3 号機でも採用している方法で翼を外したとき、翼とサーボと受信機が一体になっているのでスピコンからのコネクタのみを外せば胴体と分離できます。今回のようにアンテナ線も翼の内部に通しておく場合はなお都合がいいと思います。

サーボは今まで、ほとんどの機体で翼の内部に埋め込んで使用していました。したがって、外して別の機体に使うということができません。機体を作るたびにサーボを調達するというなんとも不経済な設計ではありました。
今回の翼は翼弦 160mm 翼厚 9% で、最大翼厚が 15mm もありません。まして、中央部は 1.5mm バルサでプランクすることになるので、ウルトラマイクロサーボといえども、寝かせても埋め込むことができません。 仕方がないので、主翼の下面から半埋め込みで取り付けることにしました。サーボを取り付ける部分には予め 20x22mm にカットしたプラスチックシートをエポキシ接着剤で貼り、両面テープで止めるための前処理をしてあります。サーボは可動翼に合わせて斜めに取り付けることになります。

タイトル画像の翼中央部上面プランクをし、上下スパーに 1mm バルサを貼って、翼中央下面に台座を取り付けた状態で重量 30g になりました。


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