Indoor Fun-Fly TINY に逆ピッチプロペラ ?

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逆ピッチプロペラを搭載するにはそれなりの理由があります
 TINY に搭載するモータユニットとプロペラを作りますが、軽量高推力である必要があります。現在 FunFan に搭載して好結果を得ている、DC5-2.4 (10:1) モータユニットと 10x5 プロペラの組み合わせを予定しています。この組み合わせで 8x50mAh Ni-Cd 電池を使ったときに 120g を超える初期推力が得られます。

 今までバルサブロックから削りだしたプロペラを何本か作ってきました。もちろん作ったのは通常回転のプロペラ、つまり反時計回りのプロペラだったのです。
 あるとき、プロペラはなぜ反時計回りなんだろうという疑問をもちました。最初にプロペラが作られたときに何らかの理由があって回転方向が決められたと思うのですが、その理由は意外なところにあったのでは?と思えてきたのです。

 多分一番初めに作られたプロペラは木製だったと思うのです。しかもそのプロペラは機械で加工したものではなく、人の手によって削りだされたのではないかと考えたのです。だとすればプロペラを削り出した人は右利きだったはずです。なぜなら刃物を右手に持ってプロペラを削るとき、刃物を持った手は自然に右下がりになるはずです。その状態で中心部から外に向かって削っていくと自然にプロペラは反時計回りにピッチがつくことになります。もし時計回りにピッチがつくように削りだそうとすると、相当無理な姿勢で作らなければなりません。どうです、最初にプロペラを作った人は右利きだった。立派な理由になると思うのですが...。説得力に欠けるでしょうか。

 プロペラはなぜ反時計回転なのかご存知の方がいましたら、本当はこうだよとぜひ教えてください。もちろん今は時計回転のプロペラも使われていますね。

 ではなぜ TINY に逆ピッチプロペラなのでしょうか。その理由は私が左利きだからなのです。今までカッタナイフでプロペラを削りだしていました。左手にカッタナイフを持ち反時計回りのプロペラを削っていたわけですから、考えてみれば不自然な格好で作ってきたわけです。ある日、インドア仲間でプロペラ作りの上手な大野さんに、どのようにしてプロペラを作っているのか聞いてみました。クリコガタナを使って削りだしているというのです。どのような小刀なのか聞いたところ欄間を彫刻するときに使う小刀だということでした。何でも先の尖った三角形をしているそうで、その後「繰小刀」と書くことがわかりました。左利きの繰小刀があるか聞いてみたらあるはずだよとのこと。どうせ買うならいいものを買っておいたほうがいいよ、一生ものだから...と。いい刃物は削っていると、自然に削るべきところを教えてくれるそうです。

 ということで早速刃物専門店に行ってみました。確かにありました左利き用が...。値札をみてびっくり、なんと 2 万 5 千円でした。何でも今は亡き名人の作とか。いくらなんでも素人がプロペラを削るために投資できる金額ではないので購入を断念。結局東急ハンズでショーケースに収められていた左利き用の繰小刀を購入しました。スカッとした出来でいかにも切れそうです。いくらしたかですって。 1 万円でおつりがほんの少し...。

 前置きが長くなってしまいましたが、以上の理由から左利きには時計回りのプロペラを作るのが自然で作りやすいという結論に達し、左利き用繰小刀の調達をきっかけに、 TINY に逆ピッチのプロペラを搭載してみることにしたのです。幸い使っているコアレスモータには進角がついていないので、逆回転で使っても全く問題ありません。

 プロペラの材料にファルカタという桐もどきを使ってみました。超ハードバルサといった感じです。確かバルサは桐科だったと思います。比重はいろいろあるようですが、私が DIY で求めたものは比重が 0.23 ありました。何とかプロペラはできたものの、まだ繰小刀の使い方に慣れないせいか、刃物は削るべきところを教えてはくれませんでした。もっと使い込まないとだめなんでしょうね。

 タイトル画像の右側がファルカタで作った 10x5 逆ピッチプロペラ (2.0g) 。左側がバルサで作った FunFan に搭載している 10x5 の通常プロペラ (1.8g) です。どちらも軽量化のために塗装はしていません。ファルカタ材のほうが堅いので削り出すのは少々大変ですが、強度があるので薄く削ることができ、プロペラの後縁をシャープに仕上げられるので効率がよさそうです。

 TINY に搭載するパワーユニットは、カーボンパイプに取り付ける関係で従来と少し変わった方法で作ってみました。航空ベニヤの取り付け板を追加し、プロペラフックも一部パーツを省略するなどして軽量化を図りました。

 プロペラフックをスパーギヤに直接取り付ける方法に変更しました。ピアノ線の使用量を減らし、カーボンシャフトも従来の 45mm から 37mm と短くしました。プロペラフックの位置がスパーギヤに近くなったため、プロペラを留める輪ゴムがちょっと掛けにくくなりましたが、軽さを優先したので仕方がないところです。プロペラフックはスパーギヤの裏側からセットしています。カーボンパイプ胴体への取り付けはこんな感じになります。プロペラ軸受けをカーボンパイプ胴の中に入れればもう少しスマートにまとまったのですが、軸受けのメンテができなくなってしまうのでこのような取り付け方法になりました。

 あとサーボの軽量化をしなければなりませんが、残っているフィルム、リンケージ用ピアノ線、リンケージロッド、テールスキッド、サーボ止めネジ、ベルクロテープ、接着材を考慮して 105g の目標重量は少し前から達成できる見通しだったので、その後欲を出して 100g 前後の完成目標で作業を進めています。


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2001/06/01 inserted by FC2 system