Indoor Fun-Fly TINY の完成

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逆ピッチプロペラを搭載した TINT が完成しました
 キットからの製作でしたが、細部にわたり軽量化を検討しながら製作を進めたのと、 3 ミクロンのカラーフィルムを貼るのに苦労し、完成までに結構時間がかかってしまいました。

 このクラスの飛行機では 1g 軽くするのは大変で、0.1g 単位の軽量化をこまめに検討しながら作ってみました。搭載機材ではプロペラ材であるファルカタの比重が大きく 2g で仕上げるのがやっとでした。サーボは肉抜き処理とケーブルを短くした結果、耳つきの状態で 4.2g まで軽くできました。サーボ止めネジには 2mm のプラスチックネジを使いました。スピコンも受信機へのケーブルを短くすることによってわずかですが軽くなりました。プッシュロッドも先端部に使用するピアノ線を極力短くしてカーボンロッドに置き換え、わずかでも軽くなるように加工しました。車輪 2 個 2g もミディアムバルサで作り直し、 2 個で 1.2g と軽くなりました。

 今回新たに組み立てたモータユニットと逆ピッチプロペラの組み合わせで、予定していた入力パワーが確保できているか完成前にテストしてみました。逆ピッチプロペラを搭載し、モータを逆転使用している以外は現在 FunFan に搭載しているユニットと基本的に同じなので、8x50mAh Ni-Cd 充電直後の電池で初期値 1.1A 、静止推力 122g になる計算です。そこで今回新たに調達した Astor Micro-Meter を使って確認をしてみました。フルスロットルでの初期値です。こんなにも計算通りだとは思いませんでした。こちらは 30 秒ほど経過したときの状態です。フラッシュ撮影したためどちらもプロペラが止まっているように見えます。供給電圧、供給電流、供給電力、積算電力量が同時に読み取れます。電流だけの測定では片手落ちで、50mAh と小容量のバッテリーでは 1A も電流を流すと内部抵抗のため電圧ドロップも顕著です。そこで役立つのが供給電圧と供給電力になるわけです。 4 つの情報が同時に読み取れるわけですから素晴らしいですね。表示値にはモータユニットのほか、受信機、スピードコントローラ、サーボの消費分も含まれます。 Astro Micro-Meter についての詳細は「技術情報」をご覧ください。

 軽量なフィルムというと透明なものがほとんどで、飛行中の視認性もよくありません。今回のカラーフィルムは軽量な上、接着剤もあらかじめコーティングしてあるということです。すでにこのフィルムを使った山尾さんからは、フィルムそのものの接着力が弱いので別に接着剤を使ったほうがいいとのアドバイスをいただきました。うまく貼ることができれば飛行中の姿勢が確認しやすく、操縦も楽になるはずです。

 新しいフィルムを貼る時は、本来ならテストピースにフィルムを貼って確認するのが確実なのですが、面倒なので、ぶっつけ本番で V 尾翼から貼ってみました。可動翼の周辺部にだけ接着剤 Leichtfix を薄めて塗布してみました。比較的うまく貼ることができました。フィルムが重なる部分は接着剤を塗らなくてもかなりの接着力があります。余分なフィルムの縁を切るとき、カッタの刃が鋭敏でないとすぐにフィルムが裂けてしまいます。シュリンクも良好で、アイロンの温度 中 以上でも問題ありません。

 動翼はバルサ骨組み構造でフィルムの接着面積も少なく、問題なく貼れたのですが、固定尾翼のバルサ単板にはフィルムの接着力が弱く、うまく貼ることができませんでした。あらかじめ全面に接着剤を塗布するればよかったのかもしれません。今回は軽さを優先し、固定尾翼のうまく貼れなかったフィルムは剥がしてしまいました。
 主翼中央バルサプランク部分には接着剤を全面に塗布しました。よほど軽量化にこだわらない限り、もう少し厚手のフィルムを使った方が貼りやすいと思われます。

 サーボと動翼のリンケージはエルロンと V 尾翼が連動しているため、組みあがってからそれぞれのニュートラルを合わせてロッドの長さをサーボ側で調整しました。カーボンロッドとピアノ線を長さ3mmほどのシュリンクチューブに通してニュートラル調整し、瞬間接着剤で仮止めしたあとロッドを外して、糸でしっかり固定しなおしました。組みあがったサーボリンケージV 尾翼のリンケージです。送信機はエレボン設定にしました。

 主翼中央下面には受信機、スピードコントローラをベルクロテープで取り付けました。 8x50mAh Ni-Cd 電池は輪ゴムで胴体に止めてあります。図面に指定されている重心位置範囲のほぼ中央に合わせた時の電池搭載位置です。思いのほか電池が後ろになりましたが、テール部が軽く仕上がった証でもあります。あとは実際に飛ばしてみて重心位置を決めることになります。

 今回は逆ピッチプロペラの製作、着脱可能脚の製作、3 ミクロンカラーフィルムの使用等新たな試みを盛り込んだ飛行機となりました。特に軽量化には今までにないこだわりで組み立ててみました。当初の目標重量は 105g でしたが、その甲斐あって全備重量 97g で仕上げることができました。推重比が 1 を上回ったのでいい飛びが期待できそうです。

 この TINY は以前から屋外で飛ばしている FunFly2 と翼型こそ違いますが、こうして並べてみるととてもよく似た主翼構造をしているのに改めて驚いてしまいます。あとキャリングケースを作らないといけません。

翼幅 (Wingspan) 610mm
全長 (Length) 530mm
翼面積 (Wing area) 14.2dm2
全備重量 (Weight) 97g
翼面荷重 (Wing loading) 6.8g/dm2
受信機 (Receiver) JMP RX5-2.3 40MHz [2.5g]
サーボ (Servo) HS-50 Mod.x2 [4.2gx2]
スピードコントローラ (ESC) KOG-MA20 [2.1g]
モータユニット (Propulsion unit) DC5-2.4 (10:1) [12.7g]
プロペラ (Propeller) Hand made (Falcata) 10x5 [2.0g]
電池 (Battery) 8x50mAh Ni-Cd [29.8g]
飛行機重量 (Air frame) 39.5g


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2001/06/26 inserted by FC2 system